准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る/澤村 御影 | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2019/5/24
文 庫:288ページ
ISBN-13:978-4041081525

僕達は、現実と異界の狭間を歩いてる――
異能を持った凸凹コンビの謎解き!

「怪異が潜むのは、『日常』と『日常』の隙間にある
『非日常』だよ」―
怪異収集家の准教授・高槻と、嘘を聞き分ける耳を持つ
大学生・尚哉の下に、小学校で噂のコックリさんの調査依頼が。
「あなたは誰?」という質問の答えは、かつてそのクラスにいた
児童の名で―。
ほか、尚哉の耳に異変が起こる中、有名女優から
幽霊相談が持ち込まれて…!?
高槻の謎めいた過去も語られ、ますます目が離せない、
大人気民俗学ミステリ第2弾!
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シリーズ第2弾

人の嘘を聞き分ける耳を持つゆえに孤独になってしまった尚哉は
なんとなく受講した「民俗学2」のイケメン准教授・高槻に
気に入られ、怪異に出会うとテンションが上がり過ぎる彼の
「常識担当」として助手をすることに。

親しくなるにつれて、高槻の瞳が時々夜空のような
青色に変わることや超記憶能力を持っていることを知る。
実は高槻もまた、幼い頃に奇妙な体験をしていた……。

こんな背景の元、今回も調査に赴く二人なのだが・・・

「学校には何かがいる」
  町の小学校で「コックリさんの呪い」なる噂があるらしい。
  児童たちは、コックリさんが教室のロッカーに棲み付いたと
  信じており、PTAを巻き込んだ騒ぎになっているようだ。
  噂の真相を2人は見抜けるか……?

「スタジオの幽霊」
  大学の文化祭の時期、ひどく熱を出し寝込んだ尚哉。
  回復し、文化祭に参加したものの、自分の耳に異変が?
  動揺するさなか、有名女優から、スタジオに現れた幽霊の
  調査依頼が舞い込んで・・・

「奇跡の子供」
  男性から、高齢の両親が、近所に住む少女を崇めていて、
  変な宗教じゃないかと相談される。
  高槻と尚哉、そして友人の警官・佐々倉は、調査のため
  奥多摩に出向く。そこで彼らが見た真実とは・・・

今作も、色んな怪異や民話の蘊蓄が程よく混ぜ込まれていて、
楽しかったです。
先生の講義と依頼の調査と、そこから見える真実。
高槻先生と尚哉の関係もいいし、強面の健ちゃんの
甘党っぷりも半端ない。

高熱出した尚哉を見舞う高槻が
「自分には健ちゃん(強面の警察官)がいるけど、深町君には
健ちゃんがいないから、僕が来たよ♪」って・・・
尚哉いわく、ゴールデンレトリバーが尻尾をブンブン振ってる
姿が想像できる(○ ̄m ̄)

講義のお題「トイレの怪談」の中にあった「赤いはんてん」
小・中学校の時、うちでは「赤いマント」だったぁ。

怪異とは、日常からの逸脱。
ゆえにそこには怪異が生まれ、怪談が宿る。なるほど!
高槻先生の講義、聞きたいなぁ~

どこかへ行って、そこにあるものを食べるというのは
その共同体に属するという意味だそうだ。
だから尚哉は、人の嘘がわかるようになったのよね

この国には古くから流行神(はやりがみ)の文化がある
あるとき突然現れて。一時熱狂的に流行った末に
急速に忘れ去られてしまう民間信仰の神

此(これ)は神なり。
此(こ)の神を祭る者は、富と寿(いのち)とを致す

人はいつだって神様が欲しいのだ
すがって祈って満足できる、都合のいい神様が。


次も読むぞ!