発売日:2018/11/22
文 庫:288ページ
ISBN-13:978-4041075326
「怪異は、現象と解釈によって成り立つんだよ、深町くん」
嘘を聞き分ける耳を持ち、それゆえ孤独になってしまった
大学生・深町尚哉。
幼い頃に迷い込んだ不思議な祭りについて書いたレポートが
きっかけで、怪事件を収集する民俗学の准教授・高槻に
気に入られ、助手をする事に。
幽霊物件や呪いの藁人形を嬉々として調査する高槻もまた、
過去に奇怪な体験をしていた―。
「真実を、知りたいとは思わない?」
ちょっぴり残念なイケメン准教授と、常識担当の大学生の
凸凹コンビが怪異や都市伝説の謎を『解釈』する
軽快な民俗学ミステリ、開講!
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二度目ましての作家さん。
以前Mirokuさんに頂いた本が初読みでした。 ↑Mirokuさんレビュー ↓mokkoレビュー
それが結構面白かったんですよね。
今まで忘れてましたが(;^_^A
読もうと思っていたら、ドラマ化されたので
絶対に観ないように気を付けてました(^◇^;)
民俗学ミステリとはいえ、前作でキャラクター小説大賞を
取っているから、これもある意味キャラ小説的かもです。
怪異の皮を被ったミステリ?的な位置づけでしょうか?
基本は、高槻先生が怪異の相談を受けたり、ブログでの
投稿から調査しに行くという流れ。
ただ、この先生は怪異絡みになると目の色が変わり
日本人的には、よろしくない暴走の仕方をする。
そんな先生が目を留めたのが、大学生・深町尚哉。
彼の役割は、超絶方向音痴の高槻先生の道案内役と
常識担当+αです。
お話は大方、この深町君目線で進んでいくのですが
高槻先生も深町君も、幼い頃に奇怪な体験をしている。
いわゆる、アチラとコチラの境界を歩み続けている。
さて、その経験がどういう作用をもたらすのか
楽しみなのです。
「第一章 いないはずの隣人」
隣の空き部屋から聞こえる奇妙な音・・・
大家さん同伴で不動産会社に確認するが
不審者がいた形跡はない。もしや幽霊物件?!
「第二章 針を吐く娘」
呪われたかもしれない!
高槻先生に泣きついた仲良し二人組
ふと気づくと、周りにいつも針が落ちていて?
「第三章 神隠しの家」
肝試しに出かけた少女が消えた。
しかし数日後、彼女は帰ってきた。
しかも足の裏はきれいなままで…。
このシリーズもキャラ小説にして、色んな怪異や民話の
蘊蓄が程よく混ぜ込まれていて、実に好みです。
百物語の作法 ↓クリックサイト
「私、別にハグされてもかまいませんけれど」
「今はそんな『ただしイケメンに限る』を
発動してる場合じゃないでしょうが!」
恐怖は人を想像力豊かにする
平和だと怪談が流行る。
戦国時代みたいに、その辺に死体がゴロゴロしてたような
時期だと、死はファンタジーになりえないからね
大事なのは現象に対して、どんな解釈をするかだ。
なるほど・・・
あらすじの「怪異や都市伝説の謎を『解釈』する」の
意味はそういうことでしたかぁ~
もうシリーズを追いかけてます♪