発売日:2017/2/21
文 庫:336ページ
ISBN-13:978-4062940603
「ひさしや、ミミズク」
今日も座敷牢の暗がりでツナは微笑む。
山中の屋敷に住まう下半身不随の女の子が、
ぼくの秘密の友達だ。
彼女と会うには奇妙な条件があった。
「怖い話」を聞かせるというその求めに応じるため、
ぼくはもう十年、怪談蒐集に励んでいるのだが…。
ツナとぼく、夢と現、彼岸と此岸が恐怖によって繋がるとき、
驚天動地のビジョンがせかいを変容させる―。
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初めましての作家さん。
↓クリック レビュー
Mirokuさんのレビューを読んで購入
チェックしてから4年半経ってました(;^_^A
いや・・・だって、色んなシリーズ読んでたから
購入するのが遅くなりました(^◇^;)
前回とその前が本屋大賞作品を続けて読んでいたので
読み始めに苦労しました。
たぶん、文章の持って行き方が好みじゃなかった。
正直、断念しようと思ったんですが
なんせMirokuさんが面白いと言って「♪」が
3つも付いていた。
だから、きっと何かあると思って我慢して読みました。
主人公の逸見瑞樹(ヘンミ ミズキ)は、コミュ障で
叔母夫婦が営む新聞店に引き取られてからも
他人との関わりは都会にいた時の友人一人のみ。
ある日、山道に入り込んだ先に古い家があって、気付いたら
老婆が真後ろにいたので仰天してチビり、中に招かれたら
座敷牢に下半身不随のツナという名の美少女がいた?
しかも、古風すぎる言葉遣いで、怖い話をせがむ。
瑞樹は超怖がりなのに、まぁ~美人のツナの為に
怖い話を集めては胃潰瘍をこさえながらも通う。
通うのかぁ~・・・
ところが、東京から来たという拝み屋や霊媒師を
探している男と偶然会ってから様相が変わる。
いきなりワクワクしてきた。( ̄ー ̄)
自称霊能者の9割9分はペテン師だ
本当にあっちの事をわかってる奴はわずかで
名乗ったりもしない。
東京に三家六人。青森と秋田に二家五人、奈良に一家三人
兵庫に一家二人、九州と四国にそれぞれひとりずつ。
兄さんが巻き込まれてるのは正真正銘の
「あの世」がらみの事件って事。
よりにもよって九家のひとつが東京くんだりから
やって来てるんだから、この縁どんだけ重なってる?
座敷牢のツナを監視している老婆からは
ツナや家の事は、聞いても他人に話してもいけないと
強く言われた事を真面目に守った事が裏目に出たぁ
そして!
虫の知らせのような情報伝達の仕組みや
人の特定の感情や知識を喰らう輩
思っていたことを図解化してくれているような
なんとも分かり易い説明がいっぱぁ~い!!
久しぶりの小躍り ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ
そこから別の意味で隠されていた事までもが
わかっちゃったりとかで、もう大変。
後半の怒涛の展開は色んな意味で面白かったぁ~
やはりMirokuさんの「♪」3つはダテじゃないですね。
今回のお気に入りは
プロポーズの際の会話が楽しい叔母夫婦
「あんた、一生あたしのパシリやる気か?」
「喜んでします」