るんびにの子供/宇佐美まこと | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2020年08月25日
文 庫:256ページ
ISBN-13:978-4041095805

ホラー&ミステリの宇佐美まことのデビュー作。
第1回『幽』怪談文学賞短部門で大賞を受賞した
「るんびにの子供」ほか『幽』に掲載された「獺祭」、
書下ろし作「狼魄」を含めた怪談作品を7篇を収録。
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初めましての作家さん。
デビュー作 7つのホラー短編集

るんびにの子供
 遠足の目的地で、近づかないよう注意されていた池で、
 水から上がってくる少女を茫然と見つめていた。
 その後、その女の子を園でも見かけるようになり……

柘榴の家
 女のヒモ生活を追い出され、悪事の果てに辿り着いた
 古家の老夫婦に孫だと思わせ同居する男は・・・

手袋
 何かを姉に張り合っては、姉の上を行くことに喜びを
 感じているであろう妹にウンザリして、犬の散歩に
 出かけた時に見かけた、右手のみの手袋が・・・

キリコ
 学生時代に同級生だったユイとカナは、結婚により
 義姉妹となり、マックで身内の悪口に花を咲かせ・・・

飛び出す絵本
 親戚の家の書斎で、飛び出す絵本の中に少女の母を
 見たのだが、少女が行方不明となり・・・

獺祭(だっさい)
 救命イカダで、何とか命を繋ぎながら母親へと
 心で語り掛けるも、同乗者がおかしくなり・・・

狼魄(ラン・ポー)(かきおろし)
 祖母の二十三回忌で、夫と伯母が不倫しているのを
 知って、祖母が話してくれた昔話を思い出し・・・


これがデビュー作だなんて、恐ろしい
既に完成されていると言っても過言ではない
何かを予想させながら、軽くかわして
我慢して我慢して復讐を遂げるという感じで
別の意味でもゾっとする。

やはりホラーって、色んな怖さがあった方が
面白いし、うわぁ・・・って思わせてくれるのも
それらを淡々と語ってくれるのも、ホラーの醍醐味だと
思ってしまう今日この頃です(^◇^;)