鬼滅の日本史/小和田 哲男(監修) | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2020/10/10
単行本:224ページ
ISBN-13:978-4299009708
 

老若男女に大人気の漫画『鬼滅の刃』。
空想の世界だと思うかもしれませんが、日本の
歴史史料には作品に登場しているような「鬼」の記述が
多く残されているのです。
日本人は古代から鬼と戦ってきた歴史があります。
本書では、そんな史料に残されている鬼とは何かを
解き明かしつつ、『鬼滅の刃』で描かれている登場人物や
鬼の歴史背景を独自に考察します。
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日本の歴史学者で、文学博士が監修の上に、
評価が高かったので読んでみました。
アニメと映画しか観ていない人には、登場人物の
背景とか、やられ方とか、少々ネタバレがあります。
そういうのが嫌な人は、3章を飛ばせば大丈夫かな?

もともと幻想小説や怪奇系の小説が好きで
「世界の謎」とか「七不思議」とかでも、

色んな考察が好きだったりします。


更に読み友のMirokuさんが、鬼や蛇系や平将門が好きで、 

その考察がとにかく面白いと思っていたので、小説とかも、

そういう考察とかを意識しながら読んでいたので
本書は、ヨダレものでした。 

↓酒呑童子とリアル鬼殺隊である源頼光と四天王

鬼滅の刃だけでなく、呪術廻戦の両面宿儺も出てましたよ。
更に、シリーズで読んでいる「よろず建物因縁帳」に
出て来る因縁絡みの建物等を扱う曳家(ひきや)の流派
隠温羅(おうら)流。


先日、最終巻が発売になったのですが、発売日(12/15)に
買いに行きましたとも!
古代の鬼が隠れていたし、神の数え方である「柱」の
解説も、同じような事が書かれてました。
おかげでテンションアゲアゲで読んでしまいました。

日本書紀や日本霊異記などに実話として登場する鬼と
鬼滅の刃に登場する鬼との比較も面白かったし
古典の鬼や陰陽師、リアル鬼殺隊たちだけでなく
産鉄民族(たたら)や日本神話を題材にした作品、
日本霊異記に出て来る閻魔王の使いの鬼の話を
逆の立場から見た話しも読んでいたので、
神道や仏教、古典を題材としてた作品が結構多かったと

今更ながら驚きました。

学者監修本なのに、読みやすく分かり易い。
鬼滅の刃の解釈、また新型コロナウイルスとの関係性は
とても興味深く、柳田国男が警察から依頼されて調査を
していたってのも、テンション上がりました(^◇^;)

普通であることが日本の社会のベースにある。
だから、あとがきの中にでてくる
「現代社会は新たな鬼を生み続けている」は、特に納得でした。

コロナ過で登場した、いわゆる●●警察に関して書かれていて
自分たちの存在以外を認めない●●警察は、他から見たら
十分に異質な存在で、鬼と言える。
けれど、害悪をもたらさない異質なものに対しては
攻撃した側が鬼になるし、また誰もが鬼に成り得る
という事に改めて納得しました。

楽しくて為になる考察。面白かったです!