発売日 : 2021/6/15
文 庫 : 304ページ
ISBN-13: 978-4065237717
屋根の下では油断するな
一度離れれば、空洞夥しき遺骸と再会することに……
春菜と仙龍がたどり着いた隠温羅流の始まりは――
悲しき愛のかたちをしていた
かの屋根下へ踏み入った者は、声も発さず事切れたそうだ。
設計士・長坂から緊急要請。
出入り不能の屋根裏に祀られた神が、市の職員を
惨殺した疑惑が浮上する。
地域を護る善神はなぜ変貌を遂げたのか。
吉備津にて隠温羅流の祖にたどり着いた春菜と仙龍は、
ついに神代へとつながる悲しい因果の糸を掴み取る。
仙龍の命を削る瘴気の鎖は切断できるのか――
因縁帳、終章開幕!
15万部突破! 大人気ホラーミステリ
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よろず建物因縁帳シリーズ 第9弾
いよいよクライマックスって感じで、本格的に
因縁を解くために動き出したから、ドキドキが止まらない。
その中でも重要な産鉄民族や、たたら衆の話は
ブロ友さんから将門の話とセットでたくさん聞いていた。
鬼や蛇の話や、興味深い話もたくさん聞いていたから
たたら衆と鬼の話は、余計にドキドキするのですよ
プロローグからして、嫉妬深い神の話。
もう嫌な予感しかしない・・・
温羅(ウラ)という鬼を隠すと書いて隠温羅(おうら)流
隠温羅流が長野に入る前は、吉備の国の温羅一族が
そのルーツではないかという棟梁の考えで
春菜と仙龍とコーイチは、岡山に向かっていた。
隠温羅流の呪いを解くために、ルーツを探る。
そして、まるで見ていたかのように棟梁と春菜が
呪いの因に関する夢を見る。
光が強いほど影は濃くなる・・・
「黒子のバスケ」のセリフみたいだ(^◇^;)
ようやく見えた道筋に無理に理由をつければ、ねじ曲がる。
今はただ閃きを覚えておけばいい。
歴史は都合のいいように書き換えられているから
調査に焦りは禁物である。
隠温羅流と仕事をするようになってから春菜は
サニワを通して呪いや怨毒や非業の死を受け取った。
ただ今回は違うと感じていた。
そんな中、やはり絡んでくるのがパグ男こと長坂!
怪異にも信仰にも敬意を払わない傲岸不遜な不信人野郎(-_-メ)
今回も文化財クラスの建物に目を付け、不審なモノが
あるからと調査に春菜を指名した。
そうすれば自動的に鐘鋳建設が付いて来ると思っている。
その根性が気にくわない。
結局、パグ男の案件の調査を受けるしかなくなり
起きてしまった現場での不審死
倉庫でサニワを通して見たオオヤビコ
棟梁と春菜が見た、呪いの因に関する夢が繋がる。
サニワとは、どういうものなのかを理解する春菜。
小林教授の元に仙龍、コーイチ、和尚という
いつものメインキャストが揃った。
これこそが、因が浄化に向けて動き出した証。
岡山での調査報告を兼ねて、棟梁や教授の話と
サニワとして自分の身に起きた事や、それまでの
謎がひとつに繋がった事を確信して説明する春菜。
納得する棟梁。まだ解決には至らないけれど、
和尚が言うように、無理を通せば道理が引っ込む
流れは浄化に向かっているのだから・・・
そしてエピローグ
コーイチの法被式で、つい涙してしまいました。
これでコーイチも一人前として認められました。
春菜じゃないけれど、コーイチの明るさと信仰心と
仙龍&春菜への愛にどんだけ救われたか!
そして思わず、うおぉ(゚〇゚ ;)ぉぉおおお!!と
心で叫んでしまったシーンがぁ~!!
読んでる人は、思ったよね?思ったよね!
全ての期待を込めた完結編『隠温羅』は
冬に発売予定です!
待ち遠し過ぎる!!待つけれども!!
小野主上に鍛えられてますからぁ~!(* ̄_ ̄)9
このシリーズでは、本当に色んな知識が
散りばめられていて、雑学や蘊蓄が好きな人には
たまらない内容になっていると思います。
ただのホラーミステリに収まらない。
そして、厄年で命を落とす導師を助けたいという
春菜の真っすぐで折れない気持ちが物語全体の
底上げをしている気さえします。
クライマックスが待ち遠しい。
心配もあります。仙龍のお父さんの昇龍
どうかどうか、力を貸してくださいぃ~
↓クリックレビュー
憑き御寮以来の登場に、ちょっとドキドキしました。
そしてコーイチ発案の展示会を是非リアルで!!
吉備津神社
金屋子(かなやご)神社
雨月物語
吉備津の釜
鉄穴流し(かんなながし):山を崩した土砂を水で流すことにより
砂鉄を水洗分離する方法
鉄穴残丘:切り崩された山は地形を変え、
棚田の景観を生み出した