憑き御寮 よろず建物因縁帳/内藤了 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ数:305P
発売日:2018年01月

因縁物件専門の払い師・仙龍VS永遠に祓えない『死の花嫁』
恋敵は怨霊!? 恐怖と恋の怪異譚。 

職人の死に顔は、笑っていたそうだ。
広告代理店勤務の高沢春菜が博物館展示の視察に訪れた、
かつての豪商・藤沢本家。
屋敷ではふたりの職人が、帯締めや振り袖を首に巻き付け
不審死を遂げていた。
春菜は因縁物件専門の曳き屋・仙龍に相談する。
そこには彼の父すら祓えなかった呪いがあった! 
仙龍は自らの命を賭して、『死の花嫁』に
とんでもない奇策を仕掛けるが――!?
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よろず建物因縁帳シリーズ 第3弾。

藤沢本家博物館の改修工事後の展示を担当している春菜。
工事現場の下見に行ったところ、パトカーが何台も来ていて
二人の職人が不審な死に方をしていたという。
しかも死人の顔は笑っていた・・・
更に、春菜の天敵である長坂が立ち入り禁止の非公開部分から
出て来て、最初に亡くなった職人と話をしていたらしい。

会社に帰って、井上部局長に報告を入れると、その博物館の
離れは仙龍の父親の昇龍が曳かせたものらしい。
仙龍に相談した方がいいという事で、鐘鋳建設に向かったが
いつもなら真っ先に出てくるコーイチが出てこない。
そこへ高級そうな車が入ってきて、スーツ姿の仙龍に続いて
和服姿の超絶美人が降りて来た。
内心、穏やかではいられない春菜。

早速仙龍に相談すると、その物件の事を仙龍は知らないらしく
棟梁が呼ばれた。
春菜の話を聞いた仙龍は、それを凶事中の凶事だと言う。
その建物は昇龍でさえ祓えなくて封印したもので、
障りが出たということは、封印が解かれたのだろうと・・・
早速、コーイチを含めた3人で確認しに行くこととなった。
小林教授にも相談しながら、少しずつ色んな事が見えてくる。

忍び門に出る赤い着物の男。狐憑き。教授が探していた手帳。
立ち入り禁止の木戸の奥の座敷牢。破られた封印。
猛烈な悪臭と、微かな白粉の匂い。
展示物に必ずつけられる「りん」の印

そして離れと座敷牢の印は「因」と「縁」。
障りの元は離れで起きて、座敷牢で作用に変わったと言う。
藤原本家の家系図を見せてもらい、昔から通っている庭師に
話を聞いて、恐ろしい因縁の検討を付けた仙龍達は
命を懸けた因縁祓いの儀式を執り行うことを決めた。
仙龍達は、最悪の死霊を封じる事ができるのか・・・


いつものメンツが活躍するんだけれど
今回ばかりは、多少なりとも死霊に同情してしまった。
若い上に100年未満というから念の力もスゴイ。

死霊とはいえ、悲惨な最後を遂げた事に対して
寄り添う形での仙龍の解決策に感動しました。
さすがに命がけの儀式になるんだけど、幻想的ですらあって、
恐ろしい緊張感があって、まるで見てるみたいでした。
さすがに仙龍もヤバい!と思ったけど、今度は春菜が頑張った。
イザという時に体張れる春菜は素晴らしい。
ちなみに春菜さん。それは恋ですからぁ~(^◇^;)
仙龍のお父さんも認めてるんだからさぁ~素直になろうよ♪

ムードメーカーのコーイチも、法被前(はっぴまえ)だが
※隠温羅流では、5年の研鑽で純白の法被を貰えるが
5年未満は、文字通り法被前。
それでも今回は、3年の研鑽で因の入ったサラシを受けて
曳家の綱を持つことを許される綱取り式を無事に終えて
ご機嫌で、この人がいるから、いいメリハリが出来てます。

何でこんなに読みやすいのかと思ったら、この人の描く
活字には絵が見える。
あれこれと想像にかける時間がない。
読みだすと絵が見えるからすごく楽で、面白い。
やっぱりスゴイなこの人
早く続きが読みたいぃ~