発売日:2008/12/11
文 庫:416ページ
13世紀中葉、異端カタリ派の牙城モンセギュールが陥落した日、
紅薔薇を抱いて少女が殉教した。
その後、修道院の下女に転生したという少女を追って、
龍緋比古と修道士セバスティアーノは中世イタリアへ・・・
だが不可解な事件が続き、セバスティアーノが
捕らわれの身に…。
修道院に隠された秘密、そして事件の真相とは?
篠田真由美版『薔薇の名前』!
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龍の黙示録シリーズ 第5弾
本作は、通常の流れとはちょっと違っております。
独立している風ですが、できるならシリーズを
順に読んでいた方がわかりやすいです。
それと、ウンベルト・エーコの同名小説か
映画を観た人は、背景を想像しやすいと思います。
だって、篠田真由美版『薔薇の名前』ですから(^◇^;)
キリスト正教に異端として滅ぼされたカタリ派の話を
うまく潜り込ませてますよぉ~
主人公だけでなく、物語も!これはうまいと思います。
龍への刺客として送られてきたはずだったのに
現在、龍の屋敷に滞在しているセバスティアーノ。
夜中に見た夢のせいで眠れなくなり、階下に降りたところ
夢を彷彿とさせるような香りに包まれて龍がいた。
それを逆に読み取った龍によって、セバスティアーノは
夢に見た少女の死の真相を探るために、龍と一緒に
時を超えて過去に飛ぶ。
そうなんです。今回の主役はセバスティアーノなんです。
もう驚き慣れたけど、このハイスペックって
どんだけなんですかね?(^◇^;)
それでもセバスティアーノの頭の中のグルグル加減が
より人間くさくて、自虐的過ぎて逆に好感が持てました。
舞台は中世。連想するのは異端、異教徒を引きずり出して
財産を奪う、いわゆる魔女裁判の時代。
宗教という括りが嫌いになった原因ですねぇ。
さて、薔薇の奇跡と呼ばれた少女ロザムンドを探す!
はずだったのに事件に巻き込まれるセバスティアーノ。
まぁ~役割的には、そうなってしまう(^◇^;)
「薔薇の名前」を彷彿とさせる殺人事件が
修道院内で起こります。
思わず映画のシーンをすぐに連想しましたよ。
予想通り、セバスティアーノが酷い目に遭いますが
活躍するのも彼ですね。
修道院で起こる不可解な連続殺人の真犯人は?
殉教した少女の転生した姿は本物?
まるで桜井京介の事件簿バリに謎が明かされます。
ロザムンドの扱いは・・・やっぱり著者はドSだなぁ~と・・・
何気に印象深かったセリフが・・・
「思い出さなかった。忘れたことはないから。」
(゚O゚;ハッ!としました。当たり前だけど、そうだよね。
久しぶりの「薔薇の名前」でクリスチャン・スレイターが
若いなぁ~って思っていたんだけど、レビューをアップする
準備をしていたら、薔薇の名前で主演された
ショーン・コネリーさんの訃報が飛び込んできました。
007シリーズで有名な俳優さんですが、薔薇の名前でも
名演技を披露しております。
心から、ご冥福をお祈りいたします。