その話をした翌日、あまりにも奇妙な経験だったので
お互いがお互いの話を完全には信用していなかった。
お酒が入っていたからでは?という疑惑があったのだ
そして、お互いに、カマを掛け合うという行動に出た。
トモちゃんは「牢に入るには入り口があるんだけど・・・」と
私に聞いてきた。
私は「外からの入り口はハッキリしないけど、変な螺旋状の
手すりのない階段を下って、突き当りが重いドアになっている。
ただ、灯りがなくて壁に埃が積もっていてよく見えないけど、
絵のようなものが刻まれている感じがするなぁ。
ドアを開けて右に行くと地下牢が並んでいる」と答えた。
トモちゃんは、その時点で私が嘘をついていないと確信したらしい
がっくりと肩を落とし「壁には肖像画がかかっていたの」と・・・
地下牢は、人を閉じ込めたまま、閉鎖されたらしい。
どうりで、私がそこを通る時、ドアの前に鉄の四角い棒の
ようなものが落ちていて、それをどかすのに、一緒にいた人が
苦労していた。
それが、ドアを閉鎖する時に使われた鍵の役目を果たす
杭だったのだ。
互いにカマを掛け合った結果は、お互いの記憶が
ピッタリ一致することとなる。
まさに、世にも奇妙な物語なのである。
時代は違うが、同じ場所にいたという記憶をお互いが
持っているのだ。
更に、アユちゃんも、私とトモちゃんの間くらいの時代に
その場所を通っていることが判明
同じ場所を通った3人の人間が、同じ会社で顔を合わす
というのは、何か意味があるのだろうか?
それだけが、未だに謎なのだ
更に、トモちゃんはその場所を記憶しているらしい
きっと自分はその場所に行かなければならないということも・・・
その場所に行くことは、限りなく死に近いということもだ・・・