優ちゃんのイタズラの中で、ギョッとしたことがある。
ある日の週末、落雷でネットが使えなくなったことがあった。
普通なら、モデムの電源を入れ直せばいいのだが、
メカ音痴の私は、会社に行ってから誰かに聞こうと思って
すんなり諦めた。
本当は、会社の人にメールで愚痴ろうと思っていたのだ。
そして週明けの月曜日、会社の人にそのことを話したら、
私からのメールが届いているという。
メールが使えなかったのだから、送れるわけがないと言ったら、
そのメールのコピーを持ってきてくれた。
内容を読んで私は愕然とした。
内容は、確かに私が愚痴ろうとしていた内容だった。
そして、最後に「優ちゃんが怒るから、そろそろやめるね」
と書いてあった。
あり得ない!!絶対にあり得ない!!
優ちゃんは、私の心を読みとって、メールを送信したってことか?
これ以上、調子づかせてなるものかと思い、自宅に帰ってから、
見えない優ちゃんに向かい「勝手なことしないで!!
迷惑なのよ!」と怒鳴った。
その途端に、洗濯機の方からゴトンと物音がした。
扉を開けてみると、棚のカゴに入れてあった
液体洗剤が落ちていた。
カゴの中に入れてあるものが、手を触れずに落ちるはずがない。
私はすぐに「いいかげんにして!」と怒鳴った。
今度は、玄関でゴトンと音がした。
シューズボックスを開けてみると、サンダルが片方だけ
下に落ちていた。
シューズボックスは奥行きが深い作りになっているので、
落ちるということは考えられないのである。
しかも、サンダルは衣替えのついでに出しておいたもので、
履くには季節的に早すぎる。
あわてて、中途半端なしまい方をしたわけではないのだ。
どうやら優ちゃんは、物体を動かすこともできるらしい・・・