どこのクラスにもガキ大将はいる。
うちのガキ大将は、とても残酷なことをしていた。
猫の両手足を縛って焼却炉に投げ込んだらしい。
そんな話をして数日がたった頃、クラスで
居残り作業があり、帰る時間が大幅に遅くなった。
クラスには男女併せて12人くらいいただろうか。
みんなで一緒に帰ろうと玄関に向かったとき、
突き当たりの体育館を通り越して、奥の音楽室に
ユラユラ揺れる灯りが見えた。
みんな興味津々で音楽室へ向かった。
音楽室の電気は消えていたのだが確かに皆が
揺れる灯りを目撃している。
そこでガキ大将が先頭を切って音楽室の中に入ると
いきなりドアがバタンと閉まり、ガキ大将が1人だけ
中に閉じこめられたのだ。
皆で必死にドアを開けようとしたがドアはビクともしない。
そのとき、誰もいないはずの音楽室の中から
ホルンの音色が聞こえてきた。
皆はパニック状態になりながらも、私は必死で
「電気付けて」と叫んでいた。
電気がついた途端にドアはスーッと開いたのだが、
先程鳴っていたホルンは、ケースに納められたままに
なっていた・・・