文 庫:341ページ
発売日:2017/12/19
弱小なディメ王国の醜悪な第六王子アリスマは、
その類まれなる計算能力によって頭角を現していくが―
森羅万象を計算し尽くす夢に取り憑かれた王を描き、
星雲賞を受賞した表題作、
英語版アンソロジー初出の宇宙SF「ゴールデンブレッド」、
なぜか自律運転車に乗せられる人型ロボット、
アサカさんを通して、AIの権利を考察する書き下ろし
「リグ・ライト―機械が愛する権利について」
ほか全5篇を収録の最新作品集。
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Mirokuさんに頂いた本です。
全5篇の短編集です。
短編集だということをスッカリ忘れていて
アリスマ王の愛した魔物という長編だと思いこみ
読み始めるのに時間が掛かってしまいました(^◇^;)
だから、1作目の「ろーどそうるず」を読みだした時
クエスチョンの嵐でした(;^_^A
「ろーどそうるず」
読み始め、勘違いをしていたので、アリスマ王が
逃避行でもしてる描写か?と思って読んでいたが
読んでいるうちに、自分の物凄い勘違いに気付いた。
バイク搭載のAIと、サポートAIのやり取りが
あまりにも人間臭い。
人間側から見たら、規格品が独自の進化をする事は
異常で排除の対象なのに、普通じゃないとレッテルを
貼られた後に、運よく?誘拐?されて、夢は砕け散ったが
目標を切り替えて、予想外に幸せな?生活を送り・・・
これは、受け継がれるDNAといいますか、なんか
ウルっとしましたよぉ~
これが一番好きです♪
「ゴールデンブレッド」
山人(ヤマト)所属の戦闘機乗り豊菓が、小惑星にある
レイクヴュー村へ不時着し、救助を待ちながら
生活をするのだが・・・
異文化コミュニケーションというか、異文化だから
受け入れられないというか、ぶつかってしまうというか
食の好みだけとっても、それが遺伝子レベルなのか
環境によるものなのかってことを意識させられる。
いつか宇宙に旅立って行った人類が別のコロニーで
違う文化を作りあっていてもおかしくないなぁ~とか
思ってみた(^◇^;)
「アリスマ王の愛した魔物」表題作
初期のパソコンを人間で代用したらこうなる。
部品をバラシて、別々に使っても無意味で
あくまでも一塊で機能した結果がパソコンで
森羅万象を計算し尽くす夢に取り憑かれた王。
使われる人間の脳みそはショート寸前。
考え過ぎて頭がユデダコだと遥か昔に使ってたけど
このことだなぁ~
さて、その行きつく先と、魔物の正体は・・・
「星のみなとのオペレーター」
惑星間にある宇宙港。
たくさん行き来する宇宙船の中の一人の艦長に
憧れていた管制官(オペレーター)の話
いきなり紛れ込んだエイリアン?のコンちゃん。
三角コーンに似ていて、小さくて可愛かったので
とりあえずペット扱いになったんだけど、
割といい仕事をする。
そうじゃないと、エライこっちゃだったでしょう。
そのおかげで、憧れの人と・・・(〃▽〃)ポッ
コンちゃん、グッジョブです!
あの告白シーンは、笑えましたぁ~
いや、あれはいい!実にいいです!
「リグ・ライト」
祖父の形見の車に乗っていた人型ロボットアサカさん。
これは、唸りましたよぉ~
AIと共存する上で、必ず問題になるであろう「責任」
人間じゃないから責任は取れない。
だから事故を起こしたら、人間の責任。
そういう考え方に一石を投じる進化のお話しですねぇ
更には、その考え方には感情が含まれていたりして
今後、AIの進化の仕方や、未来的な問題を
例題として、語り掛けている感じで、「ろーどそうるず」とは
別の意味で好きです。
短編集はやはり読みやすいです。
SF苦手とか言いながら、結構読んでたりします(^◇^;)
まぁ~全てMirokuさんの目論見通りな気がするのだが・・・
しかし、最近、本当に感想書くのがメンドくて
困ったなぁ~・・・
これ、いつ読み終わった本だよって感じ(;^_^A