雨更紗/長野まゆみ | mokkoの現実逃避ブログ

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文 庫:148ページ
発売日:1999/10
読了:2002/02/15

 

その少年の肌は、あの碗の青貝のようで妙に照るんです…
雨夜に哉を抱いたのは幽霊か?
美しい教師に愛された少年は本当は誰なのか?
雨にけむる生と死のあわいで揺れ動く
魂の交流を描き絶賛された珠玉作。
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梅雨の時期に読むのがいいです。

 

長雨続きの匂いが居座り、湿気で満たされた肺。
雷鳴が轟く雨の夜。
閉鎖的だけど美しい古い街並み。
児手山の家に居るはずの従兄

下宿の町家。降りしきる雨。
祭りに出掛けた哉と玲・・・

長雨の中の怪異譚・・・
青貝擦りでの、茶碗に雨水を受ける情景が
本当に印象的で美しい。