沼地のある森を抜けて/梨木香歩 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ:523ページ
発売日:2008/11/27

はじまりは、「ぬかどこ」だった。先祖伝来のぬか床が、うめくのだ――
「ぬかどこ」に由来する奇妙な出来事に導かれ、久美は故郷の島、
森の沼地へと進み入る。そこで何が起きたのか。濃厚な緑の気息。
厚い苔に覆われ寄生植物が繁茂する生命みなぎる森。
久美が感じた命の秘密とは。
光のように生まれ来る、すべての命に仕込まれた可能性への夢。
連綿と続く命の繋がりを伝える長編小説。
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Mirokuさんに頂いた本です。


はじまりは、「ぬかどこ」だった。
( ̄△ ̄;)エッ・・?

叔母が亡くなって先祖伝来の「ぬかどこ」をマンション込みで
受け継ぐことになった主人公:久美
もう一人の叔母に言わせると、ぬかどことは相性があるらしく
自分がぬかどこをかき回したら呻かれたらしい。
久美は合格だったようだ。(; ̄ー ̄)...ン?
ぬかどこが呻く・・・
更に卵が出来て、子供が出た?(゚ロ゚;)エェッ!?
仕事から帰ってきたらパンフルート吹いていた・・・

 

なんだかよくわからない状態ながら、これは不思議な
お話なんだと理解しながら読み進めていくと
やはり、はじまりは、「ぬかどこ」と言わざるを得ない。
じゃあ自分は?と思うわけですよ。

そして亡くなった叔母の日記を見つけて、そこに
秘密が隠されているかもしれないと、読みだすわけで
その中に恋愛的な事も含まれていて
その叔母の感情に久美は悶々とするわけです。

ナルシストにとっての恋愛なんていうものは
自己愛のバリエーションに過ぎないのだ
ナルにとって大事なのは自分の価値観、自分の世界(○ ̄m ̄)
決断力に溢れた男らしい人間=自分の論理を

振りかざすだけの傲慢さ
ナルは他人がナルになることが許せない・・・
ぬかどこよりも、ナルシストに食いついてしまった(^◇^;)

微生物というのは、気配を生み出す世界の住民なのかもしれない
という文言から、明らかに久美目線の話とは違う話の章が
Ⅰ・Ⅱとあって、これは意志を持った微生物の話しかもと思った
そしてやはり、はじまりは「ぬかどこ」

久美は先祖が育った島に向かい、そこで命の繋がりに触れる
命を繋ぐための進化・・・色んな解釈があるんでしょうが
これは楽しい。っていうか面白い。

後半、洞窟の中でのシーンに登場する樹枝状の結晶。
読んでいて、(゚O゚;アッ!持ってる。しかも画像も保存していた。

デンドライト(しのぶいし)とは複数に枝分かれした樹枝状の結晶。
これを使って進化の説明をしてました。
繋がり続けるための進化。壮大な物語。

あぁ~たまらない。

面白かったです。

そしてMirokuさんも書かれていた「最初の人間」と
似たようなことを連想しました。

随分と前に不定期で放送されていたグレートジャーニー
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人類の足跡である南アメリカ・チリナバリーノ島からタンザニアまで

およそ5万キロを逆ルートから遡って行く旅の行程を、
探検家・関野吉晴が人力で挑み、その姿を追った作品

「日本人の来た道」や色んなルートを辿って検証。
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