地獄くらやみ花もなき 弐 生き人形の島 (角川文庫)
660円
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文 庫:256ページ
発売日:2018/10/24
“地獄代行業”の皓と助手・青児のもとに、バラバラ殺人を
予感させる手紙が届く。
嵐が近づく中、長崎の孤島に降り立つ2人を待ち受けていたのは、
人形作家・絢辻幸次の歪な美意識に支配された
イタリアン・バロックの城館と、美しき生き人形の少女だった。
さらに皓の弟を名乗る少年や宿敵の探偵・棘も現れ、
ついには予告通り不可解な殺人が起こり…。
果たして、人喰いの鬼は誰なのか?
“地獄堕とし”の長い一夜が幕を開ける!
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地獄代行業シリーズ?第二弾。
mokko的には飼い鬼とダメワンコシリーズかもしれない(^◇^;)
飼い主は、西條皓 半人半妖の魔族であり、稲生物怪録にも
登場した魔王:山本五郎左衛門のやんごとなき跡取り息子である。
ちなみにカバーイラストにある皓の隣にたっている男が
青児ことダメワンコである。まぁ居候兼ペットと本人も認めている。
スーツはディナー用の正装で、皓が用意してくれた。(*´艸`*)
というか、紅子さんの手作りです。器用すぎます!
さて、日常の青児は逢魔が時の外出は控えている。
人と妖の出くわす時刻。青児の場合は確率が跳ね上がる。
ましてや皓と暮らす屋敷には真夏の虫のごとく
地獄落ちの罪人が灯りに引き寄せられてやってくる。
今回は、包丁を持った女が屋敷に行こうとしていた。
ダメワンコはとりあえず隠れる。連絡は入れたけど・・・
そこに現れたのは12・3歳くらいの皓の弟?緋(あか)。
昭和初期の少年の格好:半そでシャツにサスペンダーで吊った
半ズボンに頭にはキャスケット帽に緋牡丹のコサージュ。
人間ってどういう風に飼うのかな?と青児に失礼なもの言い。
そこに皓と紅子が登場。
緋は、地獄代行業の助手に相応しいのは自分だと宣言。
照魔鏡が入り込んだ左目を負傷して倒れる青児。
いやはや初っ端から物騒で少々ビビりました。
初っ端なのに、やはりどこかで読んだような見たような
そんな情景描写や行動を記憶を掠っていく。
なんか色んな作品を思い出してしまいます。これは狙いか?
数日後、九州から届いた依頼状?により元ホテル・イゾラ・ベッラに
向かうことになった皓とダメワンコ・・・もとい青児。
イタリア湖水地方のベッラ島をモデルに建造された島。
本家ボッロメオ伯爵家はマリオネットの蒐集家であったらしいが
招待状の送り主:絢辻璃子の父親、絢辻幸次も
自称:生き人形師らしい。
あぁ~なんか、ここで既にナルのニオイが・・・(-。-;)
そして到着した長崎の孤島は、噂通りの上に厳しいセキュリティ。
早速、絢辻家の世話役で主治医の霜邑が追い返そうとするが
絢辻璃子の依頼状があるというと、すんなり中に案内された。
ボッロメオ宮殿の大広間をモデルにしたという繊細な白い文様は
皓がいうところのスタッコ装飾というそうだ。
あぁ~こういう建築系が出てくると、入り込みやすい(^◇^;)
青児が何か発見すると「よく気づきましたねぇ。青児さんなのに」
と、皓は愛犬に対する態度でかわいがってます。
さて、屋敷の中で青児が妖怪として見えたものは、絢辻幸次で
頭に鉄鍋を乗せた姿の「鍛冶が媼(かじがばば)」だった。
更に緋は何故か従業員として屋敷にいて給仕の仕事をしていて
皓達に遅れてやってきたのは棘だった・・・
おぉ~役者が揃った!
今回もいきなり登場した小野篁氏。
身長180cm以上で容姿端麗・文武両道・頭脳明晰、
平安の世が生み出した完璧超人。
そして篁さんが来たと言うことは、棘との推理勝負になるらしい。
嵐の山荘的なミステリ仕立てになっている今作品。
まぁ~人外が登場するとはいえ、やってるのは人間なので
魔法のような事はないけれど、ミステリ作品のように
詳しい説明とかは出てきません。
ただ、グロイ描写は普通にサクっと出てきます。
予告通りにバラバラ事件となりましたが、最初のトリックは
まぁ~素人でも騙されないとは思いますが、その裏までは
読めなかったぁ~(^◇^;)
今作では、皓の出生についても、本人が語っています。
昔、鬼とは「穏」であり、姿の見えないものだったと聞く。
今回の事件の裏にいる姿の見えない首謀者こそが、本当の鬼。
その鬼は皓を狙っている。
その正体は、最後に出てくる。奴だと思う・・・
うあぁ~最悪かもしれない!
この作品で気に入っているのが、昔々の妖しい話の蘊蓄。
作中に出てくる本とかを調べると現存する平安時代の本や
巻物だったりするから楽しい。
平安の昔から鬼に喰われるのは女だと運命づけられてきた。
しかし身の内に鬼を飼っているのも、また女だ。
鬼に喰われる者でありながら、鬼となって喰らう者でもある。
それが女という存在なんです。
「鬼神に横道なきものを」酒呑童子の最後の言葉であるが
悪心というものは、人心があればこそ生まれるもの・・・
そして懐かし過ぎて笑ったのが
長椅子に仰向けに横たわっている棘を見て
油性ペンで額に「肉」と書くべき場面だと思う皓と青児
あぁ~懐かしい!額に肉!
これ・・・某ミュージシャンの奥様がやっていて
あまりにもイメージと違って驚愕したんだけどね(^◇^;)
まぁ~とりあえず、次も読みます。