白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記/小野 不由美 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ: 448P
発売日: 2019/11/9

好敵手は、どちらかが「影」になる。
一国に、王は一人しか要らない。
そして、新たな歴史が始まる──

「助けてやれず、済まない……」
男は、幼い麒麟に思いを馳せながら黒い獣を捕らえた。
地の底で手にした沙包(おてだま)の鈴が助けになるとは。
天の加護がその命を繋いだ歳月、泰麒は数奇な運命を生き、
李斎もまた、汚名を着せられ追われた。
それでも驍宗の無事を信じたのは、民に安寧が訪れるよう、
あの豺虎(けだもの)を玉座から追い落とすため。
──戴国の命運は、終焉か開幕か!
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第四巻

あらすじ読んで、ちょっとビビっていたんだけど
これ以上辛い思いはさせないで欲しいと願っていたら
シュポンって感じで出てきたから驚いたぁ
劇的な登場というより、気付いたらいたって感じ?

それでも李斎達との再会は泣けたよね。
驚きすぎて声出ないよねぇ~
束の間の喜びはとりあえず後にして、雁王達との約束の元
雁に向けて急いでいたのに・・・
気付けば阿選の追手はすぐ後ろに・・・
阿選も必死!

そりゃそうだよね。前王の時代、双璧と言われた二人。
ライバルとして競っていたと思ったら、全然そうじゃなくって
そもそも物事の見方が違っていたなら競いようがない。
それに気づいた時の阿選の虚しさと憤りと言ったら・・・
ただの嫉妬だけじゃない、やり場のない怒り
殺して終わりなんて生易しいやり方では消せない。
だからこその緻密な計画。
強制的に自分の下に置いて、見下してやる為の方法。
小っさ!

まぁ~人にやらせるから、ボロが出るんだろうけど・・・
ここで驍宗に登場されたら、たまらないよね。

そして驍宗を王に選んだ泰麒も憎い。
真っ直ぐに澄んだ泰麒の瞳に絶望を刻みたかったのかなぁ~
泰麒が考えるであろう事の先を読んで潰していく。
泰麒を苦しめることが嬉しくてたまらないって感じ。
あぁ~もうここで、器の違いが出てるってば。
驍宗が守ろうとした国までもが憎くなっていたのかなぁ

十二国記って、現実の問題と照らし合わせて
考えさせるような物語運びをするよね。
モチロン、メインキャラ達のことは感情移入バリバリなので
優先で動きを追ってしまうけど、そんな甘い話じゃない。

そもそも驍宗は真っ当に泰麒に選ばれて王になった。
慶の陽子と違って、朝は荒らされていなかったし、
先を読んで準備を整えていて王となり
信頼できる仲間に囲まれての即位だった。

阿選は用意周到に、卑劣な陰謀をめぐらし玉座を奪い取り
我こそは王だと声を上げ、逆らうものは皆殺し。
更には驍宗麾下や阿選を非難する者は、抵抗できない傀儡にする。
病んだ傀儡は言われた事しかやらない。

更に誰かの麾下(部下)になったら、その命令は絶対で、
おかしいと思っても、逆らえない。
束ねる誰かが、舵を切った方向に進むしかない。
争う双方が、自分の方こそ正しいと思っているのだから・・・
その中にあって、損得勘定で上手くたち立ち回る者たち。
状況がわからず振り回され、虐げられる民。

ほら・・・現代社会の様々な問題が透けて見えてきた。
良くも悪くも過去は現在に繋がっている。
争いって、そういうものだよね・・・
何かの犯罪のニュースを見るたびに思うのは
その頭と労力を他の事に使えなかったのか?ってこと。
まぁ~使えなかったから捕まってるんだろうけど・・・

そんな中にあって、泰麒は本当によくがんばった。
あんなに純粋で優しかった泰麒が、知略を巡らし策謀する。
全ては泰麒自らが選び、そばを離れないと誓った王の為。
それは戴の全ての民の為とイコールだ。
絶対に失敗は出来ないとわかっているからこその行動。

そう言えば前に琅燦(ろうさん)が言っていた。
饕餮(とうてつ)は、伝説と言っていい程の化物中の化物だ。
それを使令にしている麒麟は、それ以上の化物だと・・・
その琅燦に、つくづくあの麒麟は化物だと言わせるくらい頑張った。

おもわず蹴っつまづきながら、やっと辿り着いた王の膝下
見上げた瞳
この瞬間を待ってたよねぇ~ 泣くよねぇ~(T□T)
本当に大きくおなりになって・・・(ノ◇≦。) 

そして、ここからが怒涛の展開ですよぉ~
待ってましたぁ~!!やっちゃってください!
っていうか、英章遅い!
ここら辺は何度も何度も読み返しましたよぉ~

六太の泣きそうな顔が切なすぎる。
二度目だものね。チビと言って可愛がってたもんね。
ここでまた泣けた。

正頼も、よくぞ生きていてくれました!
そして去思・・・MVPは君だ!

城の南で戦って 郭(とりで)の北で死んだのさ
野垂れ死にしてそのまんま あとは烏が喰らうだけ


兵士が歌うように、犠牲の多くは目に見えない
意志も思いも仲間も置き去りにして埋もれていく
今回は、本当に多くの人が死に過ぎた。
それでも「倒れた者達は、名のある仲間だ」と言われているよう。

去思は兵士ではないけれど、共に戦った。
仲間の生死の確認が出来ずに、ただ生きていて欲しいと願う。
確実なことなど何もない、この世の無情。
生き残った者の数を数えるんだと教える項梁。
その無力感というか脱力感は、本当にたまらなく辛いよね・・・

最後の「戴史乍書」に「黄昏の岸 暁の天」以来
ようやく続きが書き込まれた。
改められた暦の元号を見て、驍宗の国に対する強い思いと
優しさを知って、また泣いた。。゚(゚´Д`゚)゚。
この戦いを絶対に忘れない元号です。

それにしても琅燦だけは納得いかない。
黄朱特有の奔放な生き方とか好奇心もわかるけれど
王も民も巻き込んでしまうのは、どうなのよ?
阿選に妖魔の知識を授けてるんだよ?
全てではないとしても、人道にもとる行為だよねぇ
何故に許す?泰麒ぃ~

来年の短編集では戴の落ち穂拾いみたいな話を聞けるのですね♪
そして、重要人物の話もきっと聞けるのですねо(ж>▽<)y ☆
今から楽しみにしてます!o(@^◇^@)oワクワク
モチロン、1話を無料で読めるプレゼントの登録は
済ませました。

あぁ~次に何を読んだらいいのかわからない・・・
繰り返し読み過ぎて、他の物語を受け付けない・・・
どうにかしないと・・・(^◇^;)