![]() |
犬神の杜 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)
778円
Amazon |
ページ数:307P
発売日:2018/06/22
死体は全身噛み痕だらけだった。
嘉見帰来山にトンネルを通す工事のさなか、事務員二人が
不吉な黒犬を目撃し、相次いで不審死を遂げる。
憑き物体質のOL・高沢春菜は、事件を調査中、霊峰に伝わる
廃村の焼失事件と犬神の祟りについて耳にする。
やがて春菜の前にも現れた黒犬。
命の危機に瀕した春菜を救うための曳き屋・仙龍の秘策――
それは因縁の『山』を曳くことで……!?
---------------------------
よろず建物因縁帳シリーズ第4弾
橘高組の部長が春菜に会いに来た。
曰くつきの現場の仕事をやり遂げたという噂を聞いたからで
橘高組で請け負っているトンネル工事の安全祈願祭で
工事は凶と出た。建築現場では神事や儀式を重んじる。
しかし工事を中止するわけにもいかない。
そこで春菜に白羽の矢が立った。
ポケットパークの企画の話につられて受けたものの
「ごはんに味噌汁をかけてはいけない」という決まりに驚く。
総務部に出向ということで現場事務所に入った春菜は
笠嶋という事務員に色々と教わることになった。
現場事務所の2Fにある総務には外付けの階段を使うのだが
その階段から見える森の茂みの中に大きな黒い影を見た。
それは長い被毛が黒い焔のように見える大きな犬だった。
途中、パートのおばさんが出勤してきて、亡くなった
二人の女性事務員2人の話を嬉々として教える。
そんな時、鐘鋳建設のコーイチから電話が入る。
仙龍の超絶美人の姉が不吉な夢をみたから
安否確認だったらしい。
色々と不審な事が続き、春菜は小林教授を訪ねることに。
そこで偶然コーイチに会うのだが、そこで呪術の蠱毒について
教えてもらうことになるのだが、春菜が出向している
嘉見帰来山(かみきらいやま)が曰く付きだと知る。
更衣室で漂う獣臭。引き出しの奥に貼りつけてあった護符。
焼失した村での犬神の祟りの話。
そして春菜の自宅で聞こえる異音。
とうとう工事現場で事故が起こった。
そして祟りは春菜に向かっている・・・
仙龍といつもの面々は、曰く付きの工事現場で山を曳く?
令和初のレビューは思いっきりキャラ萌えした
仙龍のシリーズでスタートです(〃▽〃)ポッ
前作から約半年後の設定になっております。
今回は、亡くなった事務職員の描写から始まります。
何かわからないけど、何かがいる!って感じで
初っ端から引き込まれました。
まぁ~いつものことなんだけど(^◇^;)
そして障りに引き寄せられる春菜。
そして仙龍が登場してっていうのは、このシリーズの
パターンだと思っていたんですが、今回は何というか
春菜の別の仕事も絡めてあって、営業としての仕事っぷりを
結構紹介してたんですよ。
天敵のパグ男もチョロっと出ては来るんですが、
大きく動き始めるのは後半を過ぎてからなんです。
蘊蓄とか謂れなんかは、大満足なんですが
肝心の仙龍の描写が少なかったです。
曳きの儀式が一番の見どころでもあると思ってるので
もう少し詳しくやってほしかったなぁ~
ただ、建築現場ということもあって、儀式に臨む時の雰囲気とか
いかにも神聖で厳かな感じで、ちょっと鳥肌立ちました。
春菜の仙龍の姉に対するサニワとしてのライバル意識は
凄まじいほどに強いというか、サニワの役は自分がやると
頑として譲らなかったところが、春菜らしいというか
自分でもそういう気持ちを認めてるからいいんだけど。
春菜の優しさもちゃんと描かれてました。
驚きは最後の方にやってきます。
犬神憑きの予想はついてはいたんだけど
(゚ロ゚;)エェッ!?そうだったんだぁ~と思ったら
とっても切なくなりました。
いつもとは少々怖さの質の違うお話でした。
続きが出ている事を失念しておりましたぁ~
不覚・・・_| ̄|○