螢坂/北森 鴻 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ数:248P
発売日:2007年09月

ほろ苦くて美味しい、だからこそせつないミステリー!
 ビア・バー「香菜里屋(かなりや)」シリーズ第3弾。
「この街で、オレを待ってくれる人はもう誰もいない」
戦場カメラマンを目指すため、恋人・奈津実と別れた螢坂。
16年ぶりに戻ってきた有坂祐二は、その近くのビアバー
「香菜里屋」に立ち寄ったことで、奈津実の秘められた
思いを知ることになる。
マスター・工藤が、客にまつわる謎を解き明かす第3弾。
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シリーズ第3弾。

「螢坂」
「今、歩いて来た坂道ね、蛍坂と呼ばれているのよ」
戦場カメラマンを目指した有坂が、恋人との別れを決め
最後のデートで歩いた道のり。
海外へと旅立った有坂だったが、想像以上に過酷な現実に
夢を諦め、故郷で家業を継ぐことになったのだが、別れから
16年後、仕事で上京した有坂は、《香菜里屋》にたどり着く。
ここに「蛍坂」という名の坂は無いと知り・・・

「猫に恩返し」
ガテン系の男が集まる焼鳥屋に、突然現れた黒い子猫は
皆の心を癒してくれたのだが、ほどなく死んでしまった。
小さなタウン誌を発行している仲河が、この話を掲載したところ
予想以上の反響を受けたのだが、その後、焼鳥屋とその常連客から、
黒猫の顕彰碑を建てたいからタウン誌で募金を
呼びかけてほしいと言われ、騙されたと直感したのだが・・・

「雪待人」
駅前商店街の立原美昌堂が店を畳むことを知り、
南原は、憤りを隠せなかった。
9年前、駅前の再開発計画が持ち上がり、これを機に
傾きかけていた経営を立て直そうと意気込んでいたのに
立原美昌堂が立ち退きを拒否した為、計画は立ち消えとなった。
何故、今さら店を畳む気になったのか・・・

「双貌」
会社を早期退職した柏木彰は、現実の厳しさに疲れていたが
ようやく受かった会社はどこか変だった。
曲者ばかりが集まったような会社なのに、なぜ辞めないのか。
それは、ある興味深い光景を見てしまったからで・・・

「孤拳」
職場の同僚に「香菜里屋」という店のマスターは

持ち込まれた謎を解いてくれると聞いた谷崎真澄は、

小学生の時に祖父の書斎で見た、孤拳という焼酎を

工藤なら知っているかもしれないと思い、尋ねてみるが・・・


もったいないからと、いつまでも積んでおくわけにもいかず
とうとう手を出してしまった香菜里屋シリーズ

相変わらず、さり気なく出される料理の美味しそうな事!
度数の違うビールに合わせて出される料理がたまらない。
なんというか、想像力を掻き立てられるなぁ~
たぶん、普通に作ったんじゃ同じ味にはならないよなぁ~
一番高い度数のビールは、前に飲んだことあるから
その時の感覚がフーっと鼻を通り過ぎる感じ。
濃厚過ぎて、好みではなかったけど、やはり心境に応じて
飲みたくなる時もあるのかなぁ~
謎以外のところに、いちいち引っかかってました(^◇^;)

持ち込まれる謎も、予想外の真実を引っ張り出して
そういうことだったのかぁ~と毎度うなってしまいます。
いつもそつなくサクっと解決してしまうマスター工藤。
あの店の雰囲気の中で、謎の解決を聞いてみたいと
思ってしまうのですよぉ~
そしてマスター工藤の過去も気になります。
これは最終巻で明かされるんだろうなぁ~
久しぶりだったけど、楽しかったです(p^_^q)