六百六十円の事情/入間人間
ページ数:371P
発売日:2010年05月
男と女。彼氏と彼女。親と子供。先生と生徒。爺ちゃんと婆ちゃん。
世の中には、いろんな人たちがいる。
そこには、「ダメ人間」と「しっかり人間」なんてのも。
それぞれ“事情”を持つ彼らが描く恋愛&人生模様は、
ありふれているけど、でも当人たちにとっては大切な出来事ばかりだ。
そんな彼らがある日、ひとつの“糸”で結ばれる。
とある掲示板に書き込まれた「カツ丼作れますか?」
という一言をきっかけに。日常系青春群像ストーリー。
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初めましての作家さんです。
入間人間(いるま ひとま)と読むそうです。
Mirokuさんから頂いた本です。
これは・・・何だ?
別に事件が起きるわけでもないのに、ワクワクもドキドキも
ハッキリ言ってないのに、何故か気になって読んでしまった。
きっかけは、町のコミュニティーサイトに
「カツ丼つくれますか?」というトピが上がった事。
それを目にした4人とトピ主のお話なんだけど
その4人には彼氏だったり友達だったりと相手がいて
その4組の日常とかの話だったりするんだけど
色んなところで「あぁ~ある」と思ってしまう。
そのあるっていうのも、どうでもいいような事を
時に真剣に考えてしまう時があって、暇なときほど
ひとりよがりの脳内論争をしてしまう。
更に、この主人公達はそれぞれがそれぞれの場所で
一方的にそれぞれを見かけていたりする。
それぞれの行動範囲の中に、それぞれの行動範囲が
ちょっとだけ重なっていたってだけなんだけど、
それが町のコミュニティーサイトのトピを目にしたことで
見えない糸で結ばれてしまった。
トピ主の「カツ丼つくれますか?」という質問のような
中途半端なトピの理由もわかります(○ ̄m ̄)
そして、この登場人物達は同じ場所で会うことになるのだが
その理由も、その方法もいい!
いや・・・その前に、一歩間違ったらヤバいから(^◇^;)
それでも、なんか緩くて温かくていいのですよ。
思わず頷いてしまったのが・・・
俺たちはいつだって自分の望むものに遠回りで、
それでも相手に伝わってほしいと身勝手に願って、
自分の責任で起きたくだらないことに一喜一憂する。
しかしそのくだらなさを楽しめるのだから、
高校生っていうのは面白い。確かに!
朝の5時に起きたけど家族が全員寝ていて物音も
ほとんど立てられず、ジッと部屋で時が過ぎるのを
待っていた小学校の夏休み・・・アルアル!
愛はギャンブルだ。時間をチップにして、僕らは望む形の
それが見つかると信じて人生を消費している。
上手いこと言うなぁ~
蚊に刺された赤い腫れに爪で十字の跡をつけて・・・
これ、結構やってる人いるよね(○ ̄m ̄)
色んな事が妙な形で印象に残ってしまいました。
楽しかったです。