ページ数:446P
発売日:2018年07月
「…り…に、毒を」
被害者は奇妙な言葉を遺して死んだ。毒物の正体は不明。
親戚にあたる星祭家では独特な七夕祭を執り行っており、
異様な事件が連続する。
“毒草師”御名形史紋らは、京都に乗り込んだ。
和歌に織り込まれた言霊を手掛かりに、笹・砂々・金・星の
言葉を読み換え見えてくる禍々しい真相、
日本人を縛る千三百年の呪。
「七夕」に隠された歴史を明察する傑作民俗学ミステリー。
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シリーズ4作目
約3年ぶりの毒草師。
しかし、mokkoの脳内にアクシデント発生
萌えキャラだったはずの史紋の顔が出てこない!
活字そのものの能面顔になってしまう。
何でだ?
前回、萌えまくった因縁物件専門の曳き屋・仙龍の影響か?
(゚O゚;アッ!・・・
これは「女の恋は上書き保存」現象か・・・
似たような作品をチョイスしたmokkoのミスだ_| ̄|○
やはり萌えキャラがいる別作品を続けて読むのは
ダメってことが、よーくわかった(ノ_-;)ハア…
さて、気を取り直して・・・
京都にある竹河流能宗家、竹河幸庵が自宅にある能舞台で、
『井筒』の仕上げの稽古をしている最中に倒れた。
京都府警の村田と瀬口が現場に駆け付けるのだが
事情聴取の際、死に際に立ち会った敬二郎は、「毒を」と告げて
絶命したと言い、あえて全て伝えなかった。
毒殺に間違いないものの、その毒が解明できずに捜査は行き詰まる
一方、医薬品情報誌編集部に所属する西田は、新しく配属されてきた
萬願寺響子への新人教育を任される。
そんな時、竹河家の幸庵毒殺事件がニュース報道され、
遠藤編集長から西田が過去の取材旅行先で毒殺事件に関わり、
事件を解決していること知った響子は、京都での事件に
友人が絡んでいて、相談に乗って欲しいと頼まれる。
史紋との関わりを避けたい西田だが、響子の頼みを断れない。
史紋の助手であり神凪百合に会いたい気持ちもあり、
連絡を取ってみると、既に史紋は事件を知っていて、
予想外に関心を示していた。
前回の事件で知り合った警部に先に連絡を入れておく事を告げ
西田には、七夕の予習をしておくように宿題を出す
西田と響子は図書館で七夕について調べ始め
京都に向かう電車の中で史紋に報告するのだが、
おおよそ史紋の予想を超えていなかった事に加え
新しい蘊蓄を聞かされることとなる。
響子の友人に連絡はつかず、そのまま現場になった神社に
向かう途中、話を聞こうと思っていた敬二郎が殺された。
更に続く毒絡みの殺人。
事件の裏に潜む七夕伝承に隠された歴史とは?
今回の蘊蓄は凄まじかったぁ~
蘊蓄の量が半端ない。
秋田の「竿灯」や津軽の「ねぶた」も七夕行事の一つだとは
知らなかったぁ~
童謡でおなじみの「七夕さま」
ささの葉さらさら のきばに揺れる
お星さまきらきら 金銀砂子
この歌詞の意味まで深く考えずに歌っていたが
1つ1つを掘り下げて意味を与えてみると
歴史的背景が密かに埋め込まれている暗号だとわかる
平安時代の貴族達は言霊を信じていたから
七夕の夜には雨が降らなくてはならない
貴族たちによってかけられた呪
織姫と彦星が出会ってはいけなかった理由
ギリシャ神話の天の河(ミルキー・ウェイ)は
愛と裏切りと憎悪を呑み込んで天空にある。
七夕の歴史は、平安時代の枕草子や唐の詩人、更には
ギリシャ神話や日本の神話まで絡めとって、
えらいこっちゃになってた。
竹にまつわる禁忌と、笹の使われ方なんて、
意味も考えずに、そういうもんだと思っていた。
恐るべし黒歴史!
今回もお勉強になりましたが、蘊蓄が多すぎて
たぶん、ほとんど忘れるだろうなぁ~(^◇^;)
西田君も、一度痛い目にあいますが、いつものような
史紋との絡みもなく、メインの出番も少なかったです。
でも、科捜研でもできなかった毒の特定をした史紋も凄いけど
百合さんの毒探知能力がすごかったぁ~
やはり特殊な古来からの毒が使われてました。
さりげなく史紋に危険を知らせるところがステキ♪
この毒に関して、予想外の事が書かれていた。
mokko家のご先祖様も使ったのではないかと言われているそう。
これは知らなかったぁ~(^◇^;)
今回は、内容が濃すぎましたが楽しめました。
そして一番の心配は・・・
脳内史紋・・・再構成できるかなぁ~(-。-;)