鬼の蔵 よろず建物因縁帳/内藤了 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ数:227P
発売日:2016年12月

『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』の著者が描く、
哀しい怪異譚――。

山深い寒村の旧家・蒼具家では、「盆に隠れ鬼をしてはいけない」
と言い伝えられている。
広告代理店勤務の高沢春菜は、移築工事の下見に訪れた
蒼具家の蔵で、人間の血液で「鬼」と大書された土戸を見つける。
調査の過程で明らかになる、一族に頻発する不審死。
春菜にも災厄が迫る中、因縁物件専門の曳き家を生業とする仙龍が、
「鬼の蔵」の哀しい祟り神の正体をあきらかにする。
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よろず建物因縁帳 第1弾。

猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子シリーズが面白すぎて
気になっていた本シリーズを購入。
もうこれ大好きよぉ~

小野不由美さんのゴーストハントシリーズと、北森鴻さんの
蓮丈那智フィールドファイルを思い出させるような話。
怪異と因習と原因の追究と独特の解決。
●●師って結構ツボなんですが、今回は曳き家師。
そんなものが存在していたとわぁ~
字のごとく建物を曳くことですね。
話の持って行き方が上手すぎます。

そして久々にキャラ萌え キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
色白でスリムで長身で毒舌ばかりに萌えるわけではないと
今回証明されました。
なんとガテン系! 作業ズボンにTシャツ。頭にはタオル。
Tシャツからでもわかる引き締まった体。
しかし萌えポイントはそこではない!
嫌味は言うけれど、仕事に関しては真摯に向き合う仙龍。
いざという時の優しさがツボでしたぁ~(≧∇≦)
まさか作業ズボンのベルトで萌えるとわぁ~
何故、その時の気持ちがわかるのぉ~!!
そのさり気なさがツボ!
キャァ♪~~(/≧∇)/\(∇≦\)~~キャァ♪

いかん・・・久しぶりに暴走しそうになった(^◇^;)

初回なので、登場人物や曳き屋師の説明とかが多いけど
これがまた大好きな蘊蓄がサラっと語られるから楽しい。

蒼具村の旧家・蒼具家の跡継ぎの娘は家を捨てて他県に
隠れ住んでいたのだが、主が亡くなったことで
家を土地ごと村に寄付することになった。
そこに道の駅の建設計画が持ち上がり、更に土蔵が文化的価値が
あることがわかり、広告代理店営業の高沢春菜(はな)に
そのプランを持ってきたのが、春菜の天敵であり建設会社の
社長で金の亡者:長坂。

依頼を受けて春菜の会社が蒼具家の調査に行ったのだが
土蔵の扉は開いていて結界が張ってあった。
そこにいた曳き屋師の仙龍と民俗学者の小林に聞くと
祀っているのがどんな神かわからないから
縛っているというのだが、土蔵の土戸の裏に書かれた
鬼という血文字を見せられた春菜は驚愕する

お盆の決まった時期にだけ行われるオクラサマと
カミガエシという儀式。
その期間中は隠れ鬼をしてはいけないという言い伝え。
床下に貼られた200年ほど前の竜の前脚を象った3本指の印。
これは因縁物件の印で手を付ける場合は気を付けろという
業者間の暗号のようなものだという。
それは仙龍の号を持つ隠温羅(おうら)流導師の印だった。

蒼具家は流れて来た庄屋でありながら、村の為に
食べ物を分け与えたりして村の中心人物であり
感謝する人はいても恨みを持つ人がいるとは思えなかった。
更に調査の過程で一族に不審な死が頻発していた。
赤と黄色の菊しか植えられておらず、赤い風車が回る裏庭。
土蔵から流れてくる冷気・・・

廃寺:三途寺に住む生臭坊主の雷助和尚と仙龍の会社の
新人のコーイチを加えて原因を探る春菜達。
封じられている神の正体とは・・・
そこに見えてきたのは300年も続いた家と哀しい歴史だった。

サニワが強いから呼ばれたんだと皆に言われる春菜だが
その意味を知らず、誰も説明してくれない・・・
また、隠温羅流導師は因縁を切って因縁を受け、因縁に呼ばれる。
だから代々の導師は全て42歳で亡くなっているという。

どうやら、これがこのシリーズの肝になりそうな気がする。
天・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄の六道の
悪縁切りができれば・・・もしかしたら・・・

いやぁ~久しぶりに興奮しましたよぉ~
キャラも立ってます。
シリーズ3冊揃えました。
4冊目は品切れ中。早く続きを読ませてぇ~