ページ数:326P
発売日:2010年01月
偶然の「雨宿り」から始まる、切ないラヴ・ストーリー。
ある夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女、
譲原紗矢を助ける。
帰る場所がないと語る彼女は居候を始め、次第に猜疑心に満ちた
零央の心を解いていった。
やがて零央が紗矢に惹かれ始めた頃、彼女は
黙していた秘密を語り始める。
その内容に驚く零央だったが、しかし、彼にも
重大な秘密があって…。
巧妙に張り巡らされた伏線が、いくつも折り重なった
エピソードで紐解かれる、新感覚の青春群像ストーリー。
第16回電撃小説大賞選考委員奨励賞受賞作。
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初めましての作家さん。
カバーイラストに惹かれて購入。
浄天眼謎とき異聞録を購入したのも同じ理由です。
ワカマツカオリさんというのですね。
珍しくラブストーリーとわかっていてシリーズで購入。
第一話 ヤコブの梯子で雨宿り 舞原零央 前篇
家の前で倒れていた女をアパートの部屋に連れて行き
チャッカリというか強引に住み着いた譲原紗矢。
紗矢には何か事情があるらしいが、それには触れずに
台所のソファーに居候を始めた。
正直、この部分ではイラっとしてました(^◇^;)
第二話 雨、ときどき嘘 譲原紗矢 前篇
舞原零央の家に居候してから1か月。
零央のところに来たのは偶然ではないことを告白。
過去を語りながら、想いを伝える紗矢だったが・・・
これは完全に予想外でした。
第三話 哀しい雨には濡れないで 楠木風夏
出来ちゃった婚をした双子姉妹の妹の風夏
世界一幸せだと思っていたが、出産に失敗し子宮を取る事に。
もうすぐ結婚1年になろうと言う時、、無言電話が
掛かってくるようになった。
後輩の舞原零央が探偵をしているので、調査を依頼。
その結果、浮かんできたのは姉の夏音だった。
双子なのに、なんでこうも違うんだと思ってしまった。
うまく騙されたわぁ~(^◇^;)
第四話 日の照りながら雨の降る 朽月夏音
朽月風夏は結婚して楠木風夏になった。
けれど元々は相澤という名字だったのが、事故で父を亡くし
母が再婚して朽月になったのだ。
母が再婚した時、血のつながらない兄、稜が出来た。
極端に体の弱い稜は、20歳まで生きられないと言われていて・・・
切なくて優しいお話でした。
第五話 君の隣なら雨宿り 舞原零央 後篇
譲原紗矢とデートをして、中学の頃の話をした。
朱利先輩が田舎に帰ることになるのだが・・・
紗矢の考え方や行動にイラっとするんだよね・・・
最終話 雨がくれたもの 譲原紗矢 後篇
紗矢の想いに決着がつくのと、紗矢と風夏と夏音には
実は繋がりあがったっていうお話。
いやあ~・・・予想とまるで違っていて驚いた。
メインの5人のキャラがいて、それぞれ兄妹や姉妹だったり
血のつながらない兄妹だったり、友人だったり、知人だったり。
それぞれの章で、それぞれの目線で語られるお話で
同じ場面でも、目線が違うので感じ方も違う。
重いような軽快なような切ないような
それでも全ては「想い」のお話し。
こういう描き方もあるんだなぁ~