追想五断章/米澤 穂信 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ数:288P
発売日:2012年04月

大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光は、
ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語」を
探して欲しい、という依頼を受ける。
調査を進めるうちに、故人が20年以上前の未解決事件
「アントワープの銃声」の容疑者だったことがわかり―。
五つの物語に秘められた真実とは?
青春去りし後の人間の光と陰を描き出す、米澤穂信の新境地。
精緻きわまる大人の本格ミステリ。
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久しぶりの米澤作品

伯父の古書店に居候しながら店の手伝いをしている菅生芳光が
店を訪ねてきた北里可南子から作品を探してほしいと依頼される。
それは20年ほど前に同人誌として数年間発行されていた
雑誌で叶黒白が書いたものが載っているとのこと。
買取価格を聞いた菅生は、伯父に内緒で、店のアルバイトと
依頼を受けることにした。

この作品は、あえて結末が描かれていないという
リドルストーリーの形を取っていて、全部で5作。
1作はたまたま菅生の店で引き取った本の中にあったが
残りはどういう形で掲載されたのか詳細は不明。

可南子は、亡き父親である著者が残した、たった1行だけの
結末を持っているという。
1作見つけたら、その結末を教えてもらう。
その条件で他の作品も探すことになるのだが
調べているうち著者がに20年以上前の未解決事件
「アントワープの銃声」の容疑者だった事が明らかになる。

5つの物語に秘められた意味とは・・・
アントワープの銃声事件の真相とは・・・?

って感じの内容なんですが、後半に予想外の展開が。
これは単なる絵合わせ的なものではなかったらしい。
結果、どんよりとした読後感が残ってしまったのだけど
たった1行の結末がもたらすマジックに驚いてしまった。
ミステリ初心者(未だに)にとっては美味しい作品でした。