さくらゆき 桜井京介returns/篠田真由美 | mokkoの現実逃避ブログ

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ページ数:258P
発売日:2013年08月

おかえりなさい。桜井京介、蒼、神代教授。
建築探偵シリーズ完結から2年。新たな予感の短編集。

日本画の大家・野々村白仙(びゃくせん)の養女、美貌で
才気溢れる薔子(しょうこ)がクリスマス・パーティの席上、
シャンパン・グラスを掲げての乾杯直後、中毒死。
事件の後、心因性の不調に悩む高校生の義弟の郁哉に、
スクール・カウンセラーの薬師寺香澄(かずみ)は、
桜井京介という不思議な男性を紹介する。
桜井は、郁哉に「君は僕に、なにを望むのですか?」と
訊ねるが……。(「黄金(きん)の薔薇を手にして」)ほか、
魅惑的で美しい謎と小さき者への慈愛を描く傑作短編4編を収録。
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「黄金の薔薇を手にして」
日本画:白仙の養女がパーティの席上で中毒死。
事件後、心因性の体調不良となった義弟の郁哉が
スクールカウンセラーのカズミンこと薬師寺香澄から
桜井京介を紹介されるのだが・・・

「それは魔法の船」
水曜読書倶楽部という5人の愛書家の同好会では
手に入れた古書を自慢し合い情報のやり取りをする。
綴喜の営んでいる古書店で店長をまかされていた男が死んだ。
「彼を殺したのは君たちの中の誰だい?」と訊ねた綴喜は・・・

「白くてちっちゃな死の天使」
松が丘学園の校長宛に、一生徒よりという殺人予告が届き
文化祭の準備中に一人の先生が中毒症状で病院に運ばれた
状況から一人の生徒の名前があがるのだが・・・

「さくらゆき」(表題作)
蒼がスクールカウンセラーをするようになってから、
神代教授の家には名前の知らない中高生が来るようになった。
そこに初めて訪れた庄司ゆきは、松が丘学園での事件で
注目を集めた女子中学生だったのだが・・・

「あとがきに代えて 神代宗による蛇足」
作中に出てくる、ちょっと気になる描写が違う作品に
出ているという紹介と、シリーズに出ていた面々が
元気だという正にあとがきです。


シリーズ後半があまりにも重くて、苦しくって
だから最後の方の描写から、温かい雰囲気の
メインキャラ達の様子が見たいと思っていたのだが
忘れていたんだけど、シリーズでは時が流れている。
よって、蒼もスクールカウンセラーになって30代。
作中でも現在の描写が出てくるんだけど、童顔なのは
相変わらずとはいえ、30代の蒼を想像するのを
脳みそが拒否している。

京介にしても、同じです。
神代教授宅で主夫をしている。
相変わらずスリムでボサボサの前髪とメガネで
顔をかくしているけれど、40代の京介を想像するのを
やはり脳みそが拒否してしまう。

京介が事件に絡むのは、蒼の紹介ということで
それには素直に応じているところが変化といえば変化かな。
神代教授は、元から老け設定だったから、無理に
老けさせる必要を感じないから、そのまま脳内で動いてくれる。

メインキャラ達のことは、最後の神代教授のあとがきで
サラっと書かれているけれど、何気に想像できるように
小物を使ってくれているのはありがたい。
朱鷺が大好きだったから、今でも交流が続いているのは
本当に嬉しいのですよ。
胡散臭い事件を安楽椅子探偵のごとく、解いているけど
ちょっとまったりした感じかなぁ~