本にだって雄と雌があります/小田雅久仁 | mokkoの現実逃避ブログ

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現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ


ページ数:474P
発売日:2015年09月

本も結婚します。出産だって、します。
小学四年生の夏、土井博は祖父母の住む深井家の屋敷に預けられた。
ある晩、博は祖父・與次郎の定めた掟
「書物の位置を変えるべからず」を破ってしまう。
すると翌朝、信じられない光景が――。
長じて一児の父となった博は、亡き祖父の日記から
一族の歴史を遡ってゆく。
そこに隠されていたのは、時代を超えた〈秘密〉だった。
仰天必至の長編小説!
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Mirokuさんに頂いた本です。

基本、ジョークは苦手です。「お笑い」も苦手です。
何が面白いのかわからないからです。
ジョーク好きな人には申し訳ないのだが、本当に分からない。
ただ、お笑いやってる人は、頭がいいってのはわかります。

時々わかるものもある。だいぶ経ってから、あぁ~!って
気付くくらい鈍いんですよ(^◇^;)
ただ、ダメなものはダメなんです<(_ _)>

さて・・・表紙を捲って、いきなり家系図があって、
(; ̄ー ̄)...ン?と思う。
そして書き出しがいきなりタイトルですよ。
気になっていたんですよ。気になるでしょ!

そして読み始めたら、あぁ~苦手かもしれないと思った。
しかし、数ページ目に、本がカタコト音を立てて、
あぁ~また本が増えてしまうなぁ~・・・って
( ̄△ ̄;)エッ・・?
気になるでしょ。

ふざけた調子で話は進み、ちょっとした蘊蓄?をまじえながら
和やかに?ゆっくりと物語は進みます。
最初の方の時点で、家系図が載っている意味が分かります。
これは祖父・與次郎の住む深井家の屋敷に預けられた
土井博によって書かれた息子:恵太朗に充てた物語?である。

この時点で既に話に引き込まれていたわけなのですが
何がそうさせたかっていうと、苦手なジョークの比喩が
すごいんですよ。
この表現力ったら何なの?って感じなのですよ
苦手なジョークすらも、その比喩表現によって
納得できるものに変換されている。

ジョーク並べて連射するごとく、語らないと窒息するのか?
明石家さんまか?ってなくらいに、ワラワラと語る。

臍の緒切って以来曲がりっぱなしの凝り固まった臍曲がりだから
ユリ・ゲラーでも戻せない感じだ・・・とか

前向きに生きるってなんて素晴らしいんだろうと、
失われた前方を儚んでしまうほど
ひどく首を痛めてしまったことがあった・・・とか

普通と言われて喜ぶ人は普通いないし
本当に普通な人に普通と言っちゃいけない気がする。
普通さを気に病んで、事件を起こして
俺、普通じゃねえだろう、
はい、普通じゃないとこを見せたかったんです
今は普通に反省してます・・・とか
なんか、わかっちゃうでしょ。

こんなノリで、祖父母や両親や夫婦の話を通して
家族への思いや、與次郎の宿敵:鶴山釈苦利(亀山金吾)との
本や知識への執着というか欲望みたいなものを
ファンタジックに幻想的に語っているのですよ。
最初は緩く進んでいるなぁ~と思っていたものが
途中から進む方向が見えてきて、読みながらも
先が知りたくて知りたくてたまらないんですよ。

勝手に本が増える理由とか、幻書とか混書の事とか
それの行く先とか、ラティナヘラ幻想図書館とか
その司書とか、光るキノコだとか、白い6本足の象とか
人の死後の事とか、鳥肌ものの描写が盛りだくさん。

なんの意味もないことはわかっていた。
しかし、何か意味があるはずだと思いこむことも
できる気がしたし、
自分の意思であえて意味を持たせることすら
できる気がした。
・・・こういう思いってあるよね?

読み終わって、あぁ~繋がっているんだってわかったら
本当に鳥肌立ちましたぁ~
ヤバい!
これ、今年読んだ本の中で1番だわ。
過去に読んだ本の中でも間違いなく上位ランクインだわ。

ラティナヘラ幻想図書館の司書になるのは無理だと思うし
幻書がmokkoの本棚から生まれるのも無理だと思うけど
保存用の段ボール箱の中はどうだろう・・・?
後で確認してみよう。
できるなら本棚に収まるよりも、
国会図書館の死後会員にでもなって
白神山地のブナの木の上とかで
ゆっくり読書したいなぁ~なんて思ってみたり・・・

本好きは絶対に読むべしと思いましたぁ~
Miroku様ありがとぉ~(p^_^q)

そして、大元の紹介者であるnaminnieさんありがとぉ~