ページ数:346P
発売日:2014年07月
父・育雄が故郷の村長に当選し、中学二年生の奈央は
こよみ村に移り住む。
村には秘密の書「予言暦」があるという。
元アイドルの溝江アンナとその息子・麒麟、“村八分”松浦、
父の政敵・十文字など個性的な村民と共に奈央は
様々な不思議な体験をする。
村の四季を背景に、ほんのり怖いけれど癒される
青春ファンタジー。
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Mirokuさんに頂いた本です。
↑クリックレビュー
二度目ましての作家さん。
「たましくる―イタコ千歳のあやかし事件帖」の著者でしたぁ
タイトルから全然違う話を連想していたんだけど
いい意味で裏切られましたぁ
陸の孤島とまではいかないが、交通の便が悪すぎる村では
何故か隣の市との合併を拒み孤立していた・・・?
主人公の中学生:奈央は、気が弱くて事なかれ主義の父:育雄が
公務員の職を辞して村長選に立候補すると聞いて驚く。
いい歳をして血迷ったか?と思ったが、
それは決まっている事だという。
決まっている事?
村には予言暦という未来が書かれた暦があるという。
どうやらそこに育雄が村長になる事が書かれているらしい。
にもかかわらず、同じ村で成金臭バリバリの十文字が
村長選に立候補。
これは隣の市との合併賛成派と反対派との戦いでもあった。
元アイドルの溝江アンナとその息子:麒麟、村の世話役である
“村八分”という役職の松浦の協力で選挙戦がスタート。
気の弱い父が選挙に勝てるはずがないと思いながらも
成り行きで政敵・十文字と賭けをすることになるのだが
予言通り?父が村長選で勝利し、賭けに負けた奈央は
約束通り村に転校する事になる。
出だしはこんな感じでしょうか
祖父の家に移り住んだ奈央と、それを拒む母。
こよみ村を絶賛する割には、隣の市で暮らす大叔母3人組。
予言暦を盗もうと村に侵入した男や記者
鳴り響くサイレンの音。
村のはずれにある立ち入り禁止の昔の別荘。
妖に遭遇した時に唱える「だるまさんがころんだ」
事件後に部分的に失くした記憶。
嫉妬絡みで真夏の学校のゴミ捨て場に閉じ込められ
そこで奈央が体験した不思議な出来事
ハーブティーに混入していたトリカブト
柳田国男の遠野物語まで引用している不可思議な話
のんびりした村の時間の流れの中で、
ドキドキとワクワクとヒヤヒヤが適当な加減で
混ざりあって、いい感じなのですよ。
隠し味程度の恋のエピソードも効いており癒されます。
Mirokuさんの予想通り、こういう話は大好きです(p^_^q)
それにしても、奈央の親友のお兄さんが大学で加入していた
B級民俗学同好会。
入ってみたいぃ~(⋈◍>◡<◍)。✧♡