ページ数:349P
発売日:2009年07月
明治六年、商売をたたんで一家で移り住んだ
今戸の小さな家の離れに、質屋の息子が泊まった。
そこには、主人が没落士族らしき男から買い受けた
木彫りの猿の仮面が掛けられていたが、夜も深まったころ、
雨風の音に混じってどこからかうなり声が聞こえてきて……
(「猿の眼」)。
怪談の名手・岡本綺堂の作品から、短編十三本を選りすぐった
“おそろし噺”傑作集。江戸時代から明治、大正までを
舞台にした怪しくて不可思議な噺が、百物語形式で
淡々と語られていく。
ほかに「清水の井」「影を踏まれた女」「妖婆」
「くろん坊」「鰻に呪われた男」など。
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初めましての作家さん。
えっと・・・
前回がゲロゲロだったので、清く正しい怪談を・・・
ってことで本作をチョイス
「利根の渡」「猿の目」「蛇精」「清水の井」「蟹」
「一本足の女」「笛塚」「影を踏まれた女」「白髪鬼」「妖婆」
「兜」「鰻に呪われた男」「くろん坊」
以上、13本からなる短編集です。
全て初体験の怪談でした。
意外と知らないものです。
まぁ~怪談を読むという習慣もなかったしね・・・(^◇^;)
恐怖には色んな顔がある・・・とホラー系の話を読むたびに
思う事なんだけど、これは現代の怖がらせるための話ではなく
読み終わってから、これってもしかして・・・
これって、きっと・・・
そんな風に、読み手に想像させて、それって怖いわぁ~
と、思わせる不可思議な話が怪談なんだと思ってみたり。
だからホラー系の怖さはないです。
舞台が江戸時代から明治、大正までだから
「怪談」としては雰囲気からして正統派でしょう。
そもそも涼を求めるための怪談とかいいながら
現代風にしてみると、怖すぎて涼を求めるどころか
体に力が入って変な熱が上がりそうと思うのは
mokkoだけでしょうか・・・
「面」とか「兜」とか「蛇」とか「笛」など
今でも使われる小道具?が登場しているんだけど
全てはここから始まってるのか?と思ってしまいました。
お気に入りは「清水の井」
幼い姉妹が毎夜、井戸の底を覗いている訳とは・・・
涼を求めるなら、ホラーではなく、清く正しい「怪談」ですね♪
余談ですが、曾祖父に「ひいじじい」というルビがふってあって
笑いました( ´艸`)