バチカン奇跡調査官 月を呑む氷狼/藤木稟 | mokkoの現実逃避ブログ

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現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

ページ数:380P
発売日:2014年09月

 

春祭で賑わうノルウェーの田舎町で、獣の唸り声が聞こえたかと思うと、
忽然として満月が赤く呑まれ、暗闇の広場に轟音が響き渡った。
人々が「ラグナロク」という言葉を囁くなか、
すぐ側の屋敷では凍死体が発見される。
温かな外気温にもかかわらず、わずか数十分で氷漬けにされた書斎は、
北欧神話に伝わる氷狼の仕業なのか。
平賀とロベルトは調査を進めるが、事件の裏にはあの男が―!?
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バチカン奇跡調査官シリーズ第8弾

シリーズ第6弾のデンバーでのゴーストハウスの調査で、
信じていた全てが崩壊してしまったFBI捜査官のビル。
最初の部分は、その後のビルの意外な展開が描かれます。

 

新しい部署での仕事を命じられノルウェーに向かったビルと
部下のミシェルは、不可解な現象を目の当たりにする。
そして近くの屋敷では、部屋が氷の林と化し主人が凍死していた。
ラグナロクの伝説が関係している?
言葉を話す狼とは?

 

ビルとミシェルは任務を片付けるため、とある企業を訪れるのだが
そこで神出鬼没の奴を発見!しかし別人だった?
FBIに報告するも、捜査はするな。しかし観察はしろとの指示が。
ビルはデンバーでの協力者の助言から、二人の神父に協力を求める。
個人的な依頼ではあったが、奴が関係している事もあり手を組むことに。

 

平賀とビル達は屋敷の氷漬けと主人の凍死事件を調査。
ロベルトは北欧神話に係わる謎解きを開始。

 

いつものように、後半に入ってから、一気に緊迫感が増します。
今回は北欧神話ネタが満載で、ベルセルクやオーディン等
よく耳にする架空?の名前が勢ぞろい。
叙事詩が多くて、ちょっとゲンナリしたけど(^◇^;)
森の巫女の語る予言を聞くために呪いの儀式を受けるロベルト。
そして神話を紐解くように歴史と絡み合わせるロベルトの解釈は
いつもワクワクします。
平賀の調査は苦手分野だったけど、途中で背後に隠れてる犯人の
姿が浮かび上がる。

 

凍死に至る原因には、大いに納得しました。
恐竜が何故滅んだのかという理由にも直結してるんだけど
これは寒い地方とか、猛吹雪経験者なら想像がつくかも?
だって、最初にするのが呼吸の確保だもの。
今回は平賀の天然っぷりのおかげで危機を乗り越えます(^◇^;)

 

そして、やっぱり奴が絡んでいた。
いつもいつも最後の最後に出て来ては、色々とかっさらっていく。
奴の極悪非道っぷりにマジでむかつく!!

 

今回は、いつもの調査の他に、チャンドラ・シン博士が
ローレンを執拗に追いかける理由がわかります。
博士が、ローレンのことでロベルトに接触してわかったんだけどね。
シン博士の気持ちもわかるので、そこら辺は泣きそうになりました。
物凄く複雑な心境になりましたよ。
誰よりも早くローレンを探し出すために残されたヒントを探す二人。

 

カバーイラストはローレンですね。
ローレンを先に探し出すのは誰か?
一室でそれを待つローレンは何を考えている?
色んな意味で、先に気になります。
そして、深読みしすぎかもしれないけど
ビルの部下って、大丈夫なのか?