ページ数:252P
発売日:2014年02月
古書店と同じにおいの高校の部室、好きなキャラの
二次創作小説に没頭しているときだけ、私は自由だった。
けれど先輩からある耳慣れない指摘を受けて、
自分の作品の弱さを知る。
小説をうまくなりたい、そのためには…(「メアリー・スーを殺して」)。
ほか、遺作の装幀を託された“あなた”、出版社の校閲部で働く女性などを描く、
人気作家たちが紡ぐ様々な「本をめぐる物語」。
中田永一、宮下奈都、原田マハ、小手鞠るい、
朱野帰子、沢木まひろ、小路幸也、宮木あや子。
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stardancer@レンタルスペース自由が丘サクラボローさんのレビューを読んで
購入しました。
「メアリー・スーを殺して」中田永一
メアリー・スーとは、二次創作小説の用語だそうです
本文より、ネットで検索できるらしいので検索してみてください。
「もうわすれたの? きみが私を殺したんじゃないか」
「旅立ちの日に」宮下奈都
進学が決まり、一人暮らしを始めるための引っ越しの日
父がくれたプレゼントとは・・・
「砂に埋もれたル・コルビュジエ」原田マハ
実家に戻って来た主人公。母親は既に他界しており
認知症の父親を介護しているのだが、そんな父の本当に大切なものとは・・・
「ページの角の折れた本」小手鞠るい
自宅で自殺した女性作家から遺言として遺作の装幀を頼まれた。
その理由とは・・・
「初めて本をつくるあなたがすべきこと」朱野帰子
外ではエリートで講演の依頼も絶えないという夫は
家庭ではとても面倒臭い性格だ。
その夫の心の奥底にあるものとは・・・
「時田風音の受難」沢木まひろ
まぐれ?で賞を受賞してしまった主人公が
無理やり2作目を書かせられるお話し。笑えました。
「ラバーズブック」小路幸也
一人旅に出て、途中で出会った人にカフェレストランを紹介され
立ち寄ったところ、空いているテーブル席には1冊の本が
伏せて置いてあった。
日焼けした本の意味するところは・・・
「校閲ガール」
週刊誌と女性ファッション雑誌が主流の出版社で
校閲部に所属する主人公は、ファッション誌に移動するため
無難に良い仕事を続けていたのだが、校閲の指名を受けて・・・
本をめぐる物語というか、本に係わる物語って感じ。
色んなかかわり方があるとは思うけれど、それだけでなく、
本が出来上がるまでに、色んな人が関わっているんだと思ったら
ますます本が愛おしくなります。
アンソロジーは新しい作家さんとの出会いの場である。
ましてや本関連のアンソロジーときたら、期待度大である。
好きなのは、「メアリー・スーを殺して」
話の流れから、どんな結末になるかと思ったら
さすがの乙一氏ですね。
ある意味、予想外で中田氏らしい終わらせ方でした。
ちょっとしたきっかけで、人って変われるんだって思わせる。
これは読後感がよいです(p^_^q)
「砂に埋もれたル・コルビュジエ」
最後に一気にこみ上げてきます。ブワーって来ます。
「ラバーズブック」
ステキ過ぎるお話。周りの人の優しさが素晴らしい(*´◇`*)
原田マハさんと、小路幸也氏の本は、他の作品も読んでみたい。
短編集なのに、大いに楽しませていただきました。