
ページ数:182p
発売日:2005年03月
レコードのA面・B面のように、ひとつのストーリーを
2人の別主人公の視点で綴った短編12編。
たとえば、宅配便の荷物を届けた男と受け取った男の
扉をはさんだ悲喜こもごも、バーで出会った初対面の男女、
それぞれに願いを叶え合おうといった男の思惑、
応えた女の思惑など…。
出来事や出会いが立場の違い、状況の違いで
どう受けとめられるのか、言葉と言葉の裏にあるものが
描かれた不思議な一冊。
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ブロ友の恵さんのレビューを読んで即購入。
6年も積んでました(^◇^;)
1つの出来事が2つの視点から対をなして構成されている
ショートショートに近い作品たちです。
色んな「想い」に触れられます。
吉田修一「ご不在票」OUT・SIDE/IN・SIDE
森絵都「彼女の彼の特別な日」「彼の彼女の特別な日」
佐藤正午「ニラタマA」「ニラタマB」
有栖川有栖「震度四の秘密」男/女
小川洋子「電話アーティストの甥」「電話アーティストの恋人」
篠田節子「別荘地の犬」A・side/B・side
唯川恵「ユキ」「ヒロコ」
堀江敏幸「黒電話」A/B
北村薫「百合子姫」「怪奇毒吐き女」
井坂幸太郎「ライフ」システムエンジニア編/ミッドフィルダー編
三浦しおん「お江戸に咲いた灼熱の花」「ダーリンは演技派」
阿部和重「監視者」私/僕
小川洋子さんの電話アーティストが何とも切なくて好きです。
こんな想いの表現方法もあるのかと、その深さに感動。
波風立てずに、大切に守られた想いにウルっとしました。
堀江敏幸さんの「黒電話」は、ちょっと昔を思い出しました。
親の仕事の関係で、古い電話機がいくつも家にあって
近所の親父の部下のアパートに内線電話として
古い電話を繋いでたことがあった。
テレビで見るようなハンドルをグルグル回して
電話をかける奴だった。なんか古いものを使いたい気持ち
わかるなぁ~
っていうか、おじいちゃんの想いもわかるなぁ~
井坂幸太郎さんの「ライフ」も好きだなぁ~
こんな友情ってステキだなぁ~と素直に思えました。
どれも短いので、下手に内容に触れないので
感想のみでしたが、楽しみながらあっという間に
読んじゃいました。