
発行年月:2014年06月
サ イ ズ:289P 16cm
舞台に秘められた男女の謎—妖しく華やかな幻想ミステリー。
降りしきる薔薇の花びらに埋もれて死ぬことを夢見た劇団員「薔薇忌」
濃密な淫夢に日常を侵される歌舞伎小道具屋の娘「紅地獄」
スター歌手の再起に賭ける芸能プロデューサー「化鳥」
…舞台芸能に生きる男女が織りなす世界を、
幻想的な筆致で描いた珠玉の短編集。
著者の独創性を世に知らしめた柴田錬三郎賞受賞作。
新たに書き下ろした「あとがき」を収録。
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初めましての作家さん。
90年代に出版されたものの復刻版のようです。
舞台に携わる者たちの妖しい短編集。
ミステリというよりは、幻想譚といった感じです。
これ・・・ヤバイ。
短編集なのに、どれもこれもヤバイ。
舞台に携わる者達の話だから、役者やらバンドやら
小道具からプロデューサー等々色々絡んでくるわけで
非日常を演じる側っていうのは、どうしても妖しくなる。
だけどね、この文章の持って行き方がヤバイ。
起承転結を当てはめるとするなら
起承~~~~転?結!!工エエェ(゚〇゚ ;)ェエエ工
って感じかなぁ~
最後の1ページで、今までのは何だったの?ってくらい
ひっくり返すというか、一気に幻想に変化するというか・・・
喉の奥とか、胸の内側が、もぞ痒くなるような
いきなり足元に何もなくなるような・・・そんな感じ・
ミステリのトリックで仰天するような感じじゃないのよ。
こういうのは初体験です。
舞台に携わる者達の執着やら執念を妖しく堪能させていただきました。
どうしよう・・・初読みで当たりを引き当てた感じ。
まとめて買ってよかったわ(^◇^;)
「薔薇忌」「禱鬼(とうき)」「紅地獄」「桔梗合戦」
「化粧坂」「化鳥」「翡翠忌」
化鳥に出てくる反逆者平将門の娘、滝夜叉姫の話が気になります。