
発行年月:1993年07月
サ イ ズ:378P 15cm
高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、
苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。
男の前に十年ぶりに現れたのは学生時代ライバルだった男で、
奇しくも初恋の女の夫となっていた。
刑事と容疑者、幼なじみの二人が宿命の対決を果すとき、
余りにも皮肉で感動的な結末が用意される。
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会社の人に貰った本です。
ガリレオはテレビと映画で観てるけど、活字は二度目ましてです。
やたらと暗いとか重いとか、そこまでしなくても・・・って
会社の人の感想を聞いていたので、構えて読み始めたけど
そうでもなかったなぁ~
小学校に上がる少し前、病院の庭でよく遊んでいた勇作。
そこで偶然出会った同じ年くらいの少年:晃彦は、その身なりから
勇作とは対照的に裕福な家の子だとわかった。
小学校に入って、二人は再会することになる。
クラスは違えど、どういう訳か互いを意識している。
クラスのリーダー的存在で好意を持たれる勇作と
周りを寄せ付けない晃彦。
しかし、勇作は勉強でもスポーツでも晃彦には勝てなかった。
高校生になり、勇作にも恋人が出来るのだが、止むを得ず別れを選択。
かねてからの夢を捨て、警察官になった。
それから10年。大企業の社長が亡くなり、後を継いだ新社長が殺された。
捜査の為に訪れた勇作を待っていたのは、ライバルであった晃彦と、
その妻となった嘗ての恋人だった。
何と言う運命の皮肉・・・
新社長が殺されたのは派閥争いか、それとも別の理由か・・・
親族の中に犯人がいると思われるも、確証がない。
怪しい行動をとる晃彦。
勇作は新社長殺しを調べる一方で、別の事件の聞き込みを始めるが・・・
いやぁ~面白かったです。
殺人事件の捜査だけでも結構な迫力と緊迫感だったのに、
背景となっている二人の男の人生が、これまた読ませるんだ。
現在の事件と、過去の事件。
昔の企業の悪巧みに関しては、楽に想像することができたけど
その結果起こった事件の背景がわからなかった。
そして明かされた真実に驚いた!
宿命というよりは、運命の糸というか意図を感じましたよ(^◇^;)
どうなるんだ?この二人は・・・と心配になったものの
最後の1行で救われました。
その一言で、爽やかになってしまったぞ・・・と。
貰う予定の本は、あと3冊。
1冊は手元にある。もう2冊は、別の人に先に読んでもらってる。
東野作品、楽しめそうです(o^o^o)