
思い出のある曲ってことで、今、頭の中に閃いたのが
小学校の時に演奏した「軽騎兵序曲」
今にして思えば、小学生にしてアノ曲を演奏したなんて
信じられない思いだったりします。
指揮していたのは音楽の伊藤先生。
ヘアスタイルが小泉元総理みたいだったのよね
痩せていて、眼鏡をかけていて、いつもグレーのスーツで
普段は優しい先生なのに演奏の時はとっても怖かったという記憶がある。
この演奏も、確か卒業記念みたいな感じで、卒業生から
在校生に向けての演奏だったような気がするけど
そこら辺はうろ覚えだったりする。
指揮も独特というか、小学校の時って棒立ちで
4拍子刻むオーソドックスな指揮しか知らなかったけど
掌に音を乗せて体中で曲を操るような独特の動きで
白いタクトが生きものみたいに見えました。
そういうのを初めて見たのが伊藤先生の指揮だったのよねぇ
曲を聴いてもらえばわかると思うんだけど
最初はトランペットとホルンの斉奏
それにこたえるトロンボーンの合奏に始まり
行進曲となるんだけど、この部分の説明を今でも覚えている。
先頭を行く指揮官が最後尾の兵士に大声で指示を出し
最後尾の兵士が指揮官に返事を返すようなイメージで・・・
それを聞いて、なるほど!と思った(^◇^;)
小学校に吹奏楽部があったかどうかは覚えていないけど
音楽室は立派なのがあったし、楽器も揃っていた。
トランペットやホルンやトロンボーンを吹ける人がいたから
あったのかな?
mokkoはハモニカだったけど(○ ̄m ̄)
当時、小学校の6年生は7クラスあった。
1クラス35人。
その全員を1つにまとめるのは大変な作業だったと思う
練習の時に先生が鬼に見えるのも無理はない(^◇^;)
少しずつみんなの演奏が先生の指先に絡め取られ
音の強弱も先生の指先の動き1つで操られるようになってきた。
本番では、いつもより動きの大きな先生。
ところどころで見せる満足そうな顔。
呼吸すら少しのブレも見せず、体中で感じた一体感。
締めの指揮と同時に演奏が終了した瞬間に訪れる
束の間の静けさ。
そして嵐のような拍手が体育館中に響き渡った時
なんともいえない感動と満足感に満たされていた。
そして何より、伊藤先生の笑顔がまぶしかった。
そっと涙をぬぐっていたのも、ちゃんと見てました。
その後、小学校を卒業して、慌しく中学に入ってすぐ
伊藤先生が亡くなった事を聞かされた。
ガンだったそうです。
卒業記念に演奏した「軽騎兵序曲」が、最後の指揮だったそうです。
先生。私たちは上手く演奏できてましたか?
最後の指揮にふさわしい出来だったでしょうか?
あの笑顔と涙が、先生の満足だったと思ってもいいですか?
思い出のある曲と言われて、忘れていた感動を思い出しました。