まるで雨に溶かした
絵の具がこぼれたように
味気ない街さえも
どこか彩り始めている
この季節のページを
少し戻して降る雨に
あの頃の君と僕の
懐かしい匂いがした
手を繋ぎ想いを重ねた
帰り道に咲く紫陽花
温もりを思い出したように
その色を変えていく
飾り窓に置かれた
描きかけのキャンバス
閉じていた窓を開け
見上げる空も風の音も
きっと雨が降らなければ
思い出すことはなかった
ただ 君がいないだけ
そう 君がいないだけ
ふたり この街の何処かで
夢を描いた蒼い風景画
戻り梅雨の激しい刹那に
ゆっくりと色褪せていく
love songs