中恩は永く酬《むく》い小恩は忘れず | 格言とその意味

格言とその意味

廣池千九郎先生の格言とその意味をUPしていきます。

 
 大恩というは、自己の伝統に対する恩であります。
中恩というは、準伝統すなわち自分の物質的生活方面の主人側の人々もしくは自己の幸福に対する一時的の 周旋《しゅうせん・せわ》をなしたる人々に対する恩を指すのです。
その他はすなわち小恩です。現代の人々は大恩をさえ知らぬ人がありますから、中恩以下の 謝恩ということを心掛けぬ人の多いことは当然であります。
ただ、勢力を逐《お》うて金力もしくは権力ある人の下に集まるだけです。
故に、多くの人は終身た だ営々《ほねをおり》として前人・後人交互に疲労の間に老死しおわり、上下何人《なんぴと》も真の幸福は得られぬのであります。

               広池千九郎WEBSITE格言の間より