最高道徳では、他の過失もしくは不正に対して、公然これを批難もしくは攻撃することはせぬのであります。
万一、他人の過失もしくは不正を見聞したならば自 己に反省し、しこうして自己の正しき最高道徳の精神をその人の精神に移植して、漸次に社会の改善を図るのであります。
かくのごとくすれば、自己の精神平和 にして、その運命も安全であり、且つ他人を傷つけずにこれを開発するということが自分の徳の貯蓄になるのであります。
他人を傷つけて自己もまた傷を受くる ということは、従来最も普通に行われてきておることでありますが、これはただ自他の損害のみならず、社会をも騒がせて、結局は自己の不運もしくは滅亡を招 くのであります〈ただし人心開発のために事実を語るはやむを得ぬことがあります〉。
広池千九郎WEBSITE格言の間より