第2関門から第3関門
第2関門を出発すると、長い下り坂がある。去年この辺りはドロドロ、しかし、今回は乾いていたため一気に下ることができた。
しかし、御前山付近で異様に足が重いの気付いた。何時もなら上りで抜かされることは滅多に無いのに、前の人がグングン遠ざかって行く。何とか御前山山頂へ到着。下りも足が前に出ない、次第に眠くなってきた。道標が目の前にあるにもかかわらず、後ろの人に、道を尋ねてしまう。思考回路麻痺だ。
ハンガーノックという言葉を、思い出した。取り敢えず、吸収の早いカーボンショッツを補給した。しかし、全然ダメ。最後の手段、抜かれるのを覚悟で、ザックを下ろし、固形物のボーンエクストラバーを、水で流し込むように食べる。しかし、最後の一口、胃からの逆流は押しとどめたが、口の中のものは全部吐き出してしまった。一気にテンションが下がる。体温も下がる。アームウォーマーと手袋を装着して、取り敢えず歩き出した。
直後に、大ダワに到着。普通に、通過したが、前に進むにつれて気分が悪くなる。戻ってリタイヤしようかなという気持ちがムクムクと。しかし、この時点でのタイムを考えると、後は歩いても去年のタイムと同じくらいで完走できそう。取り敢えず、山歩きを楽しもうという気持ちに切り替えた。
大岳山の上りで苦しさは絶頂。山頂でザックを下ろし、エネルギー補給のための休息。ここで、ボランティアの人と雑談。韓国の選手が8時間を切って1位になったこと、石川選手がリタイヤしたことを聞いた。
再出発、雑談をしたおかげで、気持ちが楽になった。足も軽くなった感じがした。
大岳山の下りは、程々のスピードで下ることができた。山荘を過ぎ、登山道が広くなってきたところで、体の調子も上向きに。遂に、走り出すことができた。足が軽い。第三関門手前の水場で最後のエネルギー、水分補給。気分はレースモードに。
第3関門からゴール
第3関門、通過。途中、抜いたり、抜かれたりしたが、ほとんど順位に関係ない人数。去年より、完璧に走れてる。
琴平神社に意外と速く到達。酷使した足にとって、ここからの下りが難関だ、全然スピードを出せない。1人の人が抜き際に、「まだ、間に合うよ。」と声をかけて、通りすぎた。何に、と思ったが、時計に目をやると、まだ10時間台。しかし、この下りじゃスピードは出せない。10時間台を諦めかけた。
民家が見えてきた。後は、平坦だ。時計を見る。まだ、時間はある。最後の力を振り絞ってゴール。
目標としていた12時間以内は達成。一応10時間台も達成。
ゴール後暫くは、今回のレース運びの悪さに、最悪のレースという気持ちが強く素直に喜べなかったが、今は結構良いタイムなんじゃない、上出来、上出来という感じになってきている。
(続く)