続々・横浜市教委の暴挙は「一般の方の傍聴する機会を損なう行為」だけに非ず
の関連です。
4人の教職員による児童・生徒へのわいせつ犯罪審理を受けた教職員の刑事裁判ですが、市教委は2019年の裁判
に関しては匿名審理を要請したが、裁判所から拒否されたので傍聴動員をかけたのが最初の事案と説明しています。
あとの3被告についてはその要請は行わず最初から傍聴動員をかっけたと・・・
上記については動員が発覚した後に開かれた24日の元小学校校長(懲戒免職処分済)への判決報道の中で以下のような指摘もあります。
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東京新聞 TOKYO Web 2024年5月25日 06時00分
「傍聴ブロック」なき今、強制わいせつ罪に問われた元校長に判決 被害者の不信を強めた横浜市教委のやり方
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判決によると、元校長は2021年9~10月ごろに複数回、校長室で児童にキスするなどした。倉知泰久裁判官は、犯行場所を「県内の小学校校長室」と自治体名にも言及せず、被害者についても名前など人物の特定につながる情報は完全に伏せた。ロビーに貼り出される開廷表でも、被告人の氏名欄を空白にする徹底ぶりだった。
明確性が求められる刑事裁判の判決にもかかわらず、具体性を欠く形で認定事実を示したのは、性犯罪で被害者保護の必要性が高いためだ。
◆「被害者保護は口実」「不信感抱かせる対応」※題字縮小
市教委は21日の会見で、動員を始めたきっかけは、過去の裁判で被害者の保護者が一般傍聴者に事件の内容を知られるのを望まなかったことだと説明。しかし、性犯罪被害者を支援する上谷さくら弁護士は「裁判所は、法廷で話された内容がそのまま知られても個人情報が分からないよう(どこまで伏せるかという)範囲を決める。被害者を守ることを口実にするのはおかしい」と疑問を呈す。
上谷弁護士によれば、通常、検察から被害者側に秘匿の提案があり、相談した上で裁判所に申請する。「市教委は専門家でもないのに勝手に判断した。自らの立場を守ろうとしていると疑念を抱かせ、被害者の不信感につながる筋違いの対応だ」と断じる。
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おわかりですね。この裁判は2019年の最初に動員をかけた公判ではなく、特に市教委は匿名審理要請には介在することなくすべてが発覚した判決に至るまでの公判では傍聴動員をかけていました。
報道引用の前段にあるようそもそもが匿名審理になっているにも関わらずです。匿名審理になっているのですから教委が言う
傍聴動員の名分たる(被害者のプライバシーを守るため)は当てはまりません。市教委は動員された各職員の仕事に傍聴業務を優先させる論理は破綻しています。
なるほど、検察側が被害者側に匿名審理にするかどうか打診するのですね。
2019年の公判(被告は失職)では教委が裁判所に匿名審理を要請して拒否されたから動員に踏み切ったとの説明を受けましたが、説明側の言葉の綾で実際は検察から打診を受けた被害者側に教委が助言して申請させたと考えるのが妥当なところでしょう。
そこで上記の市教委は専門家でもないのに勝手に判断して行動したことが市教委の保身疑惑を抱かせた筋違い対応(趣意)との批判があたってきましょう。
また、裁判所が匿名審理を拒否したのはメディアを含めた第三者群の知る権利を念頭に入れた公益的判断と思われます。にもかかわらずそれに従うことなく、横浜市教育長を任命権者とする教・職員の通常業務を犠牲にして傍聴動員をかけたことは教委に言い逃れはできませんが、それ以上に、被害者側のプライバシー保護をダシに保身を正当化する糊塗を行っていることは、もはやこれは教育行政を任せられるだけの資質が構造的に欠落していると申し上げても過言ではないと思わざるをえないところです。
追記
続・教職員による性被害者をダシに保身や正当化を図る横浜市教委の悪しき構造