前欄に続き醒睡笑「児の噂」からです。
※は私の脚注
-----------------------------------------------------
一
治部卿か。
児の手をとり色色様様に言葉をつくせと。 ※と→ど
夢はかりも領掌せす。
あけくに児の利口こそをかしけれ。
「われか尻は守護不入なり」と。
時に治部卿にくさのまゝの返答に。
「それほとけつこうさうにのたまふそ。 ※結構そうに のたまふ
守護不入の所から。
さいさい夫のてたをわれかよくきゝまいらせたそ」と ※出たを 我がよく聞き参らせた そ→ぞ
-----------------------------------------------------
※治部卿とは役僧の意
※荘園等の私有地への守護の立ち入り禁止及び免税特権
※夫(ぶ)とは荘園等が守護に差し出す賦役。
もちろん少年の生理的現象と租税たる夫を滑稽さで取り繕った掛詞です。
こちら ※醒睡笑
追記