決意、のようなもの | 基礎研究者のブログ

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医学・生物学系の研究者のブログです。2012年9月からアメリカのニューヨークで仕事をしています。近況報告がてら、仕事、育児について書いています。

論文のリバイス、ものすごく時間がかかっています。というか、かける方針にしました。理由は2つあって、一つはうちのラボ固有の問題が発生してしまったこと、もう一つが、リバイスで行った実験で、やや驚く結果が出たからです。予想外すぎる結果と、「なるほど確かに!」と思える結果が同時に出ました。対外的には(というかラボ的には)前述の問題が原因という事になっているのですが、実際は、データに関して自分の中で納得できていないという僕の心の問題の方が大きい気がします。もちろん、他にも瑣末な理由をあげることはできるけど、たぶんそれらは本質ではないのです。

 

得られた結果は、サイエンティフィックにはすごく面白いのですが、論文投稿としてみたときに、それがプラスになるのか、マイナスになるのかは判断できません。間違いないのは、これをプラスに持って行くのが僕の仕事だと思います。根拠のない直感なのですけど、たぶんそれは可能なはずです。そこで納得のいく答えを出すことができれば、この論文は数段面白くなると思うんです。(パブリッシュされた時に「普通」な感じになっていたら、それは僕が降参したと考えてください、笑)

 

中途半端に出してもリジェクト食らう可能性があるわけだし、ここは時間をかけてでも完璧な形にまとめあげるべし、と判断しました。ボスも友達も同意してくれましたが、それが吉と出るか、凶と出るか。もはや、腹を据えるしかありません。

 

 

ただ、すごくキツイのが、グラントと重なったこと。

 

 

グラントはできれば出したくなかったけど、ボスからソフトなプレッシャーを突きつけられたんですよね。現状、僕と妻のサラリーをカバーしないといけませんから、そこは受けて立たないとダメだなと思いました。ただ、僕にとってラッキーなことに、自分にぴったりのグラントがありました。ちょうど、僕がやりたいと思い続けてきたことと、同時並行で蓄積してきたデータが見事にフィットしそうです。これを逃したらダメだと直感的に感じました。うっかりボスに話したら、ボスから凄まじいプッシュ(もとい、サポート)が来るようになってしまいました。もはや逃げられない感じ。うーん。

 

相変わらず思うのですが、僕は常に、薄氷の上を歩いています。いつ氷が割れて、キャリア的な苦境に立たされるかわかったもんじゃない。これまではそれなりにラッキーだったけど、これからはどうなるんでしょうね。考えたところで、自分ができることを積み上げていく以外にないわけですが。