最近の私は、北九州で開催されているお笑いライブ・小倉爆笑劇場を楽しみにしています。
で、気になったことなのですが、最近のフリップ漫談をする芸人さんって、必ず譜面台やイーゼルを使っているんですよね。
余計なお世話かもしれませんが「台いらなくない?」とか思ってしまうんですね。
ハリウッド・ザコシショウさんのように、自分が動くネタの方は、スタンドを使う意味があると思うんです。
あと、ザコシショウさんの場合は、絵を使うためのフリップではなく、テレビのテロップの代わりのような使い方ですね。ネタの伝わり易さとか分かりやすさの為のアイテムとして、フリップを使っています。
で、一昔前(90年代~00年代)は台なんかなく、そもそもフリップ漫談じゃなくて、スケッチブックネタとか言ってましたよね。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240524/21/mojikita-wrestling-club/35/b4/j/o0242020715442898889.jpg?caw=800)
鉄拳。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240524/21/mojikita-wrestling-club/df/d2/j/o0299016815442898893.jpg?caw=800)
MANZAI-C。
スケッチブックネタの画像が見つかりませんでした…。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240524/21/mojikita-wrestling-club/c5/df/j/o0189026715442898897.jpg?caw=800)
いつもここから。
私はコチラの時代からお笑い好きなので「フリップ台なんて必要ないんだよ!」と思ってしまいます。
待てよ…
じゃあ、フリップのスタンドを最初に使い始めた芸人さんって誰なんだろう?となりますよね?
私なりに考えてみたのですが、おそらく【あばれヌンチャク】さんではないかと。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240525/00/mojikita-wrestling-club/77/74/j/o0320018015442957170.jpg?caw=800)
あばれヌンチャクさんだと、まだスケッチブックネタの時代ですね。
でも、お客さんに分かりやすくするためなのか、スケッチブックのサイズが異様にデカいんですよ。分かりやすさを求めた結果、スケッチブックを支える台が登場したわけです。
ここで「台を使っていいんだ。」となったはずなんです。
そこから、スケッチブックがフリップへ変化したのがいつからなのかについても考えてみました。
これも私の推測ではあるのですが【バカリズム】さんではないかと。
バカリズムさん本人が語っていたと思うのですが、テレビ朝日の『虎ノ門』という番組のレポーターでフリップを使うコーナーがあって、フリップネタに開眼したそうです。
バカリズムさんの場合、ネタの着想に対してテレビを経ているから【スケッチブック】ではなく【フリップ】なのですが、この辺りの時期を起点に他の芸人さんの間でも、スケッチブックネタの呼び名がフリップ漫談へと変化したのだと思われます。
そう言えば、トツギーノはイーゼルを使っていますね。
でも、これはコントの部類に入ると思うんです。
トツギーノでスケッチブックをしっかりと持ってしまっていると、シュールさは醸し出されないんです。だから、このイーゼルは小道具!ちゃんと意味があるわけですよ。
同じくバカリズムさんのネタであった『県の持ち方』とかは、学校の先生が講義するようなスタイルだったので、台も教卓のような物を使っていたと思います。
意味のある台なんです。
言うなれば、コント設定に合わせて、フリップ台の種類にもこだわっていたという感じですかね?
なので、本来はフリップスタンドにも意味があったはずなのですが、このような歴史を経た末に、フリップ漫談の際は、意味のあるなしに関わらず台を用意するというのが定番になっていったのだと思います。
せっかくですので、もう少しウダウダとフリップ漫談の是非…「台いらなくない?」について話をします。
私が見ている側として思うのは、フリップ漫談というだけで、似たような絵面だな~と思ってしまうことです。
これって芸人にとって、かなり致命的なことだと思います。いかに他との差別化を図るかが必要だと思うのですよ。
粗品さんのフリップをボケにして、そこにツッコむスタイル。
鳥居みゆきさんの『妄想紙芝居』(フリップ漫談を逆手にとって白紙のフリップをめくるネタ)。
ヤポンスキーさんの『絵描き歌』みたいに実際にその場で書くようなネタ。
ウメさんの『絵コント』は同じ絵で違うストーリーを披露するスタイル。
ゆるえもんさんのフリップではなく、タブレットを使用するフリップ漫談。
田代32さんのウケなかったネタのフリップを破り捨てるネタ。
大谷健太さんの早口言葉ネタ。
フリップ漫談と言えば…で名前をザッと挙げてみました。名前を挙げられる芸人さんはフリップ漫談の差別化に成功していると言えます。他とスタイルが違うので、どういうフリップ漫談かを説明できるからです。
だから、フリップスタンド一つをとっても、ネタの部分で勝負できない芸人さんの場合、定番の譜面台やイーゼルにしたらダメだと思うんです。
フリップ漫談に埋もれる。
野生爆弾さんとかがすでにやってそうですが、頭のイカれたデザインのフリップスタンドを手作りしてくるとか、温故知新でスケッチブックとか、ケーシー高峰の黒板みたいなものだったり。
フリップスタンドで他のフリップ漫談との差別化をしても一つの手なんじゃないかな~と思ったりしています。
そんな感じです。