書道の良い本を見つけた。 | 上条武術研究所

上条武術研究所

プロレス・サンボ・合気道を経験。
月刊秘伝読者。
○現在の活動
・自宅ジムを開放(不定期)
・武術系、介護系の同人誌制作


前田鎌利先生著の『教養としての書道』。

ビジネス本コーナーにおいてありましたが、パラパラと読んでみて、私にとっては為になる内容でしたので購入しました。
著者の前田鎌利先生は、五歳から書道を始め、芸術大学を出て、世界で書道パフォーマンスや個展などの活動をされている。また、書道とは別にプレゼンテーションクリエイターとして、各種企業で講演やコンサルティングを行っているという方。

なるほど、ビジネス本に置いてある意味が分かりました。多分。

ビジネス本としては、書道はほとんどの日本人が学校の授業で一度は習ったことがあるし、海外の人相手なら日本らしい和の文化として興味を持たれるジャンルである。書の教養はビジネスに役立ちます…という本でしょうか?

でも、内容はそこまでビジネス本ビジネス本してはなく、書道に関するあらゆる分野の雑学・歴史・知識が広く書かれている…書道【界】入門本だなと私は感じました。
私もこういうブログで発信をしている以上、ちょっとした逸話とかまとめた本があれば、ネタをそこから拾えるので便利なんですよね…で、この『休養としての書道』がまさにそういう本です。

ちょっと私が気になったことや知らなかったことを過剰書きしておきます。
・三経義疏(さんきょうぎしょ)…聖徳太子が書いた写経の三部作。日本の書道は写経から。
・GHQの書道禁止。武道だけじゃないんだ!
・筆ペンの使い方。
・梵字、朴筆。朴筆を買ってみます。
・半紙の裏表の話。表に書く…というわけではない。
・年賀状の話、書初めの話 。季節の行事に関する考え方も変わる。
・花押。武術好きなもんで、戦国武将の花押とかは知ってましたが、それだけじゃない。
・文人画、画家の書。
・前衛書の成り立ち。私はこのブログで「書はアートも取り込んでいて自由で凄い!」なんて、過去記事で書いていると思いますが、前衛書の成り立ちを知るとその表現は少し正しくはない感じです。『書道は美術にナラズ』論。つまり、前衛書は『美術ではないから、書道の中にアート用のジャンルを作らないといけなかったために確立された。』が正しいニュアンスかしら?
・橘流。これはお笑い好きとして学びたい。芸人のめくり風の書とか書いてみたい。
・文房四宝…私なんか道具に拘れるほど上手くないと考えてしまいがちですが違いますね。拘るためにはそこの知識も必要。文房四宝にも興味をもって、書と並行して学ぶべきことだ。
以上!

私は武術の一環として書道を学んでいます。書道の良さの1つとして、あらゆる分野を並行して学べるところがあると感じています。武道だと1つの流派に所属して、そこだけを学ぶことが多いと思います。
でも、書道はあらゆることを同時に学べる。

で、私は現在は一般漢字、古典臨書、かな、詩文書と4ジャンルと、何かしらコンテストにもたま~に応募しています。

でも、この本を読んで気付きました。まだまだ書道に関しての取り組む範囲を拡げていないといけない。例え浅くても脇の知識は知っておいたほうが、より書道ライフを楽しめそうですもの。

この本に書いてましたが、お手本を真似て、添削を受けて、段位が上がるだけが書道ではないと。色々なゴールがありますよと。
私なりにできる限りは色々と手を拡げていると思ってましたが、よく考えたら、私も結局はその範囲でしかないなと…。

あと、裏打ちとか表装も学びたい。