32ページ、オールカラー、720円。
何となく、同時期に観た「死霊館のシスター」と同じくらいの規模の映画かな…と思ってたんですが、パンフレットの違いが格差を物語ってますね。あちらは同じ値段で24ページ、半分モノクロでしたから。
見開きサイズのでっかい写真が多くて、なかなか迫力のあるパンフレットだと思います。
多くのキャストのコメントが載ってるのがいいですね。
注目はやはり「天才子役」ジェイコブ・トレンブレイ君。役のリサーチとして、自閉症の人たちのためのボランティアに参加し、数人の自閉症の人たちと友達になった、とのこと。さすが。
ドクター・ケイシーを演じたオリヴィア・マンは「この手の映画の女性はステレオタイプなので、一度は出演を断った」とのこと。
その後、シェーン・ブラック監督から再アプローチを受け、役についての意見をシェアしたそうです。
ケイシーが科学者でありながら銃を使いこなし、プレデターにも戦いを挑んでいく強い女性になったのは、その辺りの経緯もあるのかもしれません。
と、そこで思い出すのは本作の上映前のスキャンダル。
本作に出演していたスティーヴン・ワンダー・ストリーゲルという俳優が、過去の未成年への性犯罪が発覚し、降板。共演シーンもあったオリヴィアの働きかけもあって、出演シーン全カットとなりました。
彼がシェーン・ブラック監督の友人だったこと、監督が彼の過去を知った上でキャスティングしたこともあって、軽く炎上したようです。
性犯罪はそりゃあ許されないことではありますが。
しかし、シェーン・ブラック監督はそれを知った上で、手を差し伸べたんですよね。
犯罪の種類によって、再チャレンジの永久に許されない風潮というのはどうなのかな…と思ってしまいます。
今回のことが発覚した時の、共演俳優たちの「冷ややかな反応」にオリヴィアが「疎外感を感じた」と発言したことで騒動が再燃したりもしたそうです。
うーん…。
あと、科学者を演じたジェイク・ビューシィという人は、「プレデター2」で科学者を演じた俳優の息子で、役柄もその科学者の息子という設定なんだとか。
こういう遊び心のあるキャスティングも、「プレデター1」で真っ先に殺される隊員を演じていたシェーン・ブラック監督ならではでしょうか。
プロダクションノートは詳細です。監督や俳優、デザインやロケーションについて、詳しい解説があります。
面白かったのは、「ルーニーズ」の面々が「シャングリラ」と名付けられた共同テントの楽屋で生活し、親密さを深めていったこと。
劇中でケイシーが起きる時の男たちのグダグダした悪ふざけぶりは、こうして培われた素の関係性から出てきたのだろうと思わされます。
オリヴィアが疎外感を感じたのは、そういうところもあったりして。
あと、このパンフレットで良かったのは。過去作の解説が充実していること。
鷲巣義明氏による、全4作の解説は、それぞれ1ページずつ割かれていて読み応えがあります。シリーズもののパンフレットでは、これは嬉しいところですね。
しかし、「ターミネーター」があんなにシュワちゃんあってのシリーズになっている一方で、こんなに「シュワちゃん離れ」したシリーズも珍しいんじゃないでしょうか。
次回作あたり、「シュワちゃん回帰」ってのはどうでしょう。あえて、今度こそジャン=クロード・ヴァン・ダム版のプレデターと対決とか。どうでしょ?