14章陶磁の彩と工芸の極致-明・清時代の工芸 | 65歳の芸大生

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定年退職後、新しいことにチャレンジしたいと考えて、今まで縁がなかった芸術について学ぼうと思い、京都芸術大学通信教育部芸術教養学科に編入学しました。このブログが日々の学習内容の記録として活用しています。

この章の要点

明・清時代は、精緻を極めた工芸品が数多くつくられました。それらは前代の工芸技術の継承と新たな創意のうえに生まれた、まさに工芸美の結晶ともいうべき完成度の高い優品であり、今日においても高く評価されています。本章では陶磁器を中心に、明・清時代の工芸品における技法の深化や表現の多様性について考え、この時期の工芸品の特徴とその質の高さについて理解を深めます。 Movie1・・・景徳鎮の官窯 Movie2・・・明代後期の景徳鎮窯 Movie3・・・清朝の宮廷陶磁器 Movie4・・・清朝の琺瑯多穆壺 Movie5・・・翠玉白菜

 

明代初期、江西省の景徳鎮には宮廷専用の器物を焼く官窯が設けられ、その後、陶磁生産の中心地として発展していきました。明代前期は良質のコバルト顔料による鮮やかな青花磁器の優品が焼かれましたが、後期になると五彩磁器を中心とした、おおらかで明るい多色磁器の時代を迎えます。清朝では、七宝の顔料を用いて絵付けした粉彩が宮廷で流行し、中でも琺瑯彩と呼ばれるものは、皇族専用に焼かれた極めて特殊な磁器です。