12章伝統への回帰と文人画家の台頭-元時代 | 65歳の芸大生

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定年退職後、新しいことにチャレンジしたいと考えて、今まで縁がなかった芸術について学ぼうと思い、京都芸術大学通信教育部芸術教養学科に編入学しました。このブログが日々の学習内容の記録として活用しています。

この章の要点

モンゴル族の王朝であった元(1271~1368年)では、宮廷画院が設けられなかったため、絵画は知識官僚や在野の画家が中心となって展開しました。とりわけ趙孟頫の存在は大きく、その復古主義に基づく絵画理念は元代を通して多大な影響力があり、「元末四大家」によって代表される文人画家の活躍を導きだしました。本章では、元代絵画の中核をなす文人画家の作品を理解し、あわせて在野の職業画家の動向についてもみていきます。 Movie1・・・趙孟頫と復古主義 Movie2・・・趙孟頫の書 Movie3・・・黄公望 Movie4・・・倪瓉の作画理念 Movie5・・・元代の道釈画

 

モンゴル族が支配する元代では、初期には趙孟頫が復古主義を提唱し、後期には黄公望を始めとする元末四大家が活躍しました。彼らは自己の内面を絵画に託した個性的な作品を描き、文人画の基礎を築きました。一方、職業画家では顔輝が道釈画を得意とし、また 馬夏派の画人によって南宋の院体山水画様式が継承されていきました。