11章中国陶磁器の精髄-宋時代 | 65歳の芸大生

65歳の芸大生

定年退職後、新しいことにチャレンジしたいと考えて、今まで縁がなかった芸術について学ぼうと思い、京都芸術大学通信教育部芸術教養学科に編入学しました。このブログが日々の学習内容の記録として活用しています。

この章の要点

宋代は、中国陶磁器の黄金時代といわれる時代です。この時期、窯場の数は急激に増加し、陶磁器の生産量が飛躍的に増えるとともに、陶磁器の市場をめぐる窯場間の競争が品質の向上や技術革新を促し、各種の上質な陶磁器が華北や華南で生産されました。本章では、宋代のすぐれた陶磁器をいくつか取り上げ、それらの特徴を学ぶとともに、宋代陶磁の多様性について理解を深めていきます。 Movie1・・・定窯白磁 Movie2・・・耀州窯 Movie3・・・汝官窯 Movie4・・・南宋官窯と龍泉窯 Movie5・・・天目碗

 

北宋時代、耀州窯は北方を代表する窯場となり、深みのあるオリーブ色の青磁を生産しました。北宋末に宮廷専用の窯場として設けられた汝官窯では、宮廷用にふさわしく典雅で美しい青磁が焼かれました。南宋時代の民窯であった龍泉窯は砧青磁で名高く、また福建省の建窯では黒釉の茶碗が焼かれましたが、表面が宝石のように輝く曜変天目は、世界でも日本に三点現存するだけの貴重な名品です。