7章パリからニューヨークへ-アメリカ美術の始動 | 65歳の芸大生

65歳の芸大生

定年退職後、新しいことにチャレンジしたいと考えて、今まで縁がなかった芸術について学ぼうと思い、京都芸術大学通信教育部芸術教養学科に編入学しました。このブログが日々の学習内容の記録として活用しています。

この章の要点

第一次大戦と第二次大戦を挟んだ戦間期のアメリカでは、ヨーロッパのさまざまな美術の紹介が行われるようになりました。この章では、1910年代の「ニューヨーク・ダダ」から20年代における「プレシジョニズム」などの流れをたどり、アメリカにおけるモダン・アートの黎明を見ていくことにします。 Movie1・・・芸術都市ニューヨークの始動 Movie2・・・1920年代の都市表象 Movie3・・・アメリカン・シーン Movie4・・・メキシコ壁画運動と画家たちのFAP参加 Movie5・・・芸術家たちの大西洋横断

 

アメリカでは、1913年に開催された、ニューヨークのレキシントンにある武器庫を会場にした大規模な近現代美術の展覧会「アーモリー・ショー」が、大きな反響をもたらしました。また、1920年代には、マルセル・デュシャン、マン・レイらを中心とした芸術サークル ニューヨーク・ダダが若い芸術家たちを啓発しました。同時代には、工場や摩天楼といった近代的な対象を克明に描写したプレシジョニズムも現れます。30年代の写実主義的な動向としてはほかに、ベン・シャーンらによるアメリカシーンと呼ばれる流れもありました。なかでもエドワード・ホッパーは都市生活者の孤独を乾いた描写で表現しました。