15章庭園様式と近世以降の庭園-日本庭園 2 | 65歳の芸大生

65歳の芸大生

定年退職後、新しいことにチャレンジしたいと考えて、今まで縁がなかった芸術について学ぼうと思い、京都芸術大学通信教育部芸術教養学科に編入学しました。このブログが日々の学習内容の記録として活用しています。

この章の要点

古代から中世には、池や流れなど水を取り入れた庭園(池庭)や水を使わずに自然風景を表現した庭園(枯山水)がつくられました。そして中世末期から近世初期には、侘び茶の興りとともに、喧噪の市中に深山の趣を演出する庭園(露地)や、さらにこれらの様式を集大成するような回遊式庭園が発達しました。本章では庭園様式が大きく発展する近世以降の著名な庭園を取り上げ、その特徴を見ていきましょう。 Movie1・・・武家の庭園と書院造庭園 Movie2・・・露地(茶庭) Movie3・・・回遊式庭園 大名庭園 Movie4・・・江戸時代の作庭書と町家の庭 Movie5・・・近代の日本庭園

 

日本庭園の様式は、大きく池庭・枯山水・露地(茶庭)に大別される。枯山水の事例には大徳寺大仙院庭園がある。 桂離宮の園池の周囲には茶屋や茶室が配置され、詩歌や茶の湯を楽しむ場ともなっていた。このような形式は回遊式庭園と呼ばれる。江戸時代には多くの作庭書が版行され、また都林泉名勝図会のように詳細な絵図で庭園を紹介した案内書も人気を博した。 明治維新後、京都では山県有朋の無鄰菴庭園など東山周辺に琵琶湖疏水を利用した別荘庭園群が営まれ、新たな社交の場が生まれた。京都の近代庭園界において中心的役割を果たした 小川治兵衛(植治)は、東山を背景に取り込み、野山に小川が流れるという身近な里山の風景をモチーフとし、五感で味わう自然としての庭園を生み出した。