14章古代・中世の庭園-日本庭園 1 | 65歳の芸大生

65歳の芸大生

定年退職後、新しいことにチャレンジしたいと考えて、今まで縁がなかった芸術について学ぼうと思い、京都芸術大学通信教育部芸術教養学科に編入学しました。このブログが日々の学習内容の記録として活用しています。

この章の要点

日本庭園は「自然風景式」と呼ばれるように、自然の風景を縮小して表現するところにその造形上の特徴があるとされます。大地の上に石・水・植物などの自然素材を用い、海や島、山、河川、野原といった自然の風景を表現した空間芸術なのです。本章では、日本古代から中世にかけての庭園について、各時代を代表する事例を取り上げ、その時代的背景と造形の特徴について概観します。 

Movie1・・・飛鳥・奈良時代の庭園 

Movie2・・・平安時代の庭園(1)寝殿造庭園 

Movie3・・・平安時代の庭園(2)浄土庭園 

Movie4・・・禅宗寺院の庭園 

Movie5・・・室町時代と枯山水

 

仏教が伝来した飛鳥時代、蘇我馬子の邸宅内には、周囲を石で積み上げた四角形の池に中島が作るという形態の庭園が営まれ、「シマ(島・山斎)」と呼ばれていました。奈良時代になると平城宮東院庭園のように、自然の海洋風景を模した庭園が作られるようになります。 平安時代の初期には唐の庭園の影響を受け、嵯峨天皇の嵯峨院のような池庭が作られました。平安時代中期には、東三条殿や高陽院といった貴族の邸宅において、和歌に詠まれるような諸国の名所を写した寝殿造庭園と呼ばれる庭園が盛んに造営されました。平安時代末期には末法思想が広まり、仏殿を荘厳する寺院庭園が盛んに造営されるようになりました。これが「浄土庭園」であり、平等院庭園や浄瑠璃寺庭園などが現存します。