4章写実の完成-奈良時代前期 | 65歳の芸大生

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定年退職後、新しいことにチャレンジしたいと考えて、今まで縁がなかった芸術について学ぼうと思い、京都芸術大学通信教育部芸術教養学科に編入学しました。このブログが日々の学習内容の記録として活用しています。

この章の要点

和銅3年(710年)の平城京遷都から奈良時代が始まります。新しい都には官寺の薬師寺、大官大寺などが移転し、藤原氏の氏寺である興福寺が建てられました。さらに聖武天皇は東大寺の建立を開始し、天平勝宝4年(752年)に本尊・盧舎那仏坐像(大仏)が完成します。その間、興福寺《阿修羅像》や東大寺戒壇院《四天王立像》がつくられました。本章では、大規模な造寺造仏によって仏教美術が隆盛を極めた奈良時代前期の美術を見ていきます。 Movie1・・・興福寺 《十大弟子・八部衆像》 Movie2・・・興福寺西金堂と《十大弟子・八部衆像》 Movie3・・・東大寺法華堂 《不空羂索観音像》 Movie4・・・東大寺戒壇堂 《四天王像》 Movie5・・・東大寺大仏の造立

 

710年に遷都した平城京には、官寺の薬師寺や大安寺、藤原氏の氏寺である興福寺などの大寺院が次々に建立されました。興福寺《阿修羅像》は、漆をふんだんに使った脱乾漆造の像で、同寺の西金堂に安置された釈迦集会像の一体です。天平の写実と呼ばれるこの時代の優れた写実性をそなえた作例は、聖武天皇が建立した東大寺の戒壇院に安置される塑像の《四天王立像》にもみられます。そして、天平勝宝4年(752年)になると東大寺の本尊盧舎那仏坐像が完成しました。